ソクーロフのファウスト

久々に銀座へでかけ、映画を見てきました。
ファウスト』(シネスイッチ銀座にて)です。
 
まあ。わかってはいたんですよ。
なにせソクーロフですから。
映画の冒頭に“ゲーテファウストを翻案した”
と出てはいましたが。
・・・翻案しすぎだろ!!

あまりに哲学的というか、なんというか。
えーー、正直に告白します。
途中、寝そうになりました
ファウストってこんな話だったっけ?て感じ。
 
ファウストが恋に落ちるマルガレーテが、
CSの「ボルジア」で
ルクレツィア・ボルジア(チェーザレの妹)を
演じている女優さんだ、というのもあって
見てみたのですが、演出がマニアック過ぎて
凡人の私には理解できませんでした。
 
唯一、パチっと目が覚めたのは、フラスコに入った
ホムンクルス錬金術の技術によって造られる人造人間)
が出てきたところ。フラスコが割れて血まみれになる
赤ん坊のような顔。うう、気味わるいよおぉ~
 
さてさて、アレクサンドル・ソクーロフ監督の作品といえば、
『エルミタ-ジュ幻想』が、比較的イメージ 1
知られているのではないでしょうか。→
 
現在開催中の「エルミタージュ美術館展」
国立新美術館
でも、上映会が行われました。
展覧会HP:
 
この映画は、まだ宮殿だったころの
エルミタージュに迷い込んだ主人公
(声のみ)が、宮殿内をウロウロしながら
時間旅行をするものです。
ロシア皇帝など歴史上の人物も
ちらっと出てきます。
 
この作品のすごいところは、
ワンカットで撮影された、という点です。
96分間、一度もカメラを止めずに撮られています。

その他のソクーロフ作品では、
昭和天皇を描いた『太陽』が印象的でした。
イッセー尾形が、昭和天皇をみごとなまでにそっくりに演じています。
レーニンの最晩年を描いた『牡牛座  レーニンの肖像』と
週末を山荘で愛人と過ごすヒトラーを描いた『モレク神』も、
長年見たい見たいと思っているのですが、まだ機会がありません。
ごらんになった方、感想を聞かせてください。
 
上記3作品は20世紀の怪物を取り上げた連作で、
そのシリーズ最後の一作が今回の『ファウスト』だそうですが、
最後を飾るにしては・・・いまいちですなあ