ガヴァネスをお探しですか?

映画『ジェーン・エア』を見ました。
いわずと知れた、シャーロット・ブロンテ
小説の映画化です。
これまで幾度となく映像化されています。
 
以前、シャルロット・ゲンズブール主演の同名映画を
見たのですが、(ちなみに彼女↑の母親は、
エルメスのバッグの由来になったジェーン・バーキンです。)
その直後に、映画『嵐が丘』を見てしまい・・・
結果、原作者が姉妹ということもあって
ストーリーが頭の中で混ざってしまいました(汗)。
 
ジェーン・エアヒースクリフと結婚したんだっけ?
みたいな(笑)。
どちらも話が暗いんだもん
それで新作『ジェーン・エア』を見てストーリーを
再確認したのでした。←原作を読め!
 
舞台は19世紀ヴィクトリア朝のイギリス。
孤児のジェーンは、あらゆる不幸に耐えつつ
寄宿学校で教養を身につけ、成長して、
あるお屋敷で少女の家庭教師となります。
 
そして屋敷の持ち主であるロチェスター卿と恋に落ち、
二人は結婚することに。
今度こそ幸せになれる!
と思ったそのとき、実は彼には発狂した妻がおり、
しかも彼は、その屋敷の一室に彼女を長年監禁していた
ことが明らかになるのです・・・。
きゃーー
まるでホラーです。ここまでは。
 
                   
 
この物語は典型的な「ガヴァネス小説」です。
ガヴァネスgoverness とは、19~20世紀初頭にかけて
ヨーロッパ(特にイギリス)で見られた、
“住込みの独身女性家庭教師”のこと。
 
貴族の館で、幼い令嬢に読み書き算数、外国語そして
レディとしての教養(ピアノ、絵画、詩など)や、
立ち居振る舞いなどを教えます。
作者のシャーロット・ブロンテ自身、ガヴァネスでした。
 
召使い(メイド)でもなく、家族でもなく、
時には家事も手伝わされ、薄給で、
かつ不幸な生い立ちの女性が多かったようです。
それゆえ多くの貴族の女性にとっては、ガヴァネスといえば
子供のころのイヤな思い出。厳しく陰気な教師、でした。
 
私はジェーン・エアの映画で、
このガヴァネスという言葉を知ったのですが、
よく考えてみると、
サウンド・オブ・ミュージック』のマリア、
王様と私』のアンナ、
なども、ガヴァネスだったのですね。
 
実は私もむかし、大学生のご令嬢に、英語と西洋史
広く教養を教える、という家庭教師をしたことがあります。
一年後に、通訳つきでヨーロッパ中を旅行したい、とかで。
セコムされた、広いお庭と立派なお屋敷・・・
常識外れなほどの、破格の給料でした。
あんなおいしいバイト、もう二度とないだろうなあ~~。
 
どなたか私を、ガヴァネスとして雇ってくださいまし。
お嬢様を、教養と気品ある立派なレディに
してさしあげます(笑)。