読了『万能鑑定士Qの事件簿 Ⅸ(9)』

今月31日の映画公開前に読んでおこう、
というわけで、先週末にサクサクっと2日で読みました。
 
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原作の『万能鑑定士Q』シリーズはこれまで全く読んだことがなく、
映画のチラシを見て、一応はやりものはおさえとくか・・・と。
パリのルーヴル美術館で本格的な映画ロケが許されたのは
ダヴィンチ・コード』以来だ、というあたりも気になって。
 
映画化された9話目は、シリーズ中最高傑作、だそうですが、
正直なところ、推理小説としてはまあまあ、てところでしょうか。
初めてこのシリーズを読み、確かに面白いのですが、
黒幕たちの動きがあまりにもまわりくどいというか、
金を使いすぎる!!そこまでするか!ありえん!という感じで
現実味がない。
 
でも伏線がわかりやす~く伏線で、ちゃんとすべて回収されて
いくので、最終的には、広げた大風呂敷をちゃんと
たたみおえた感があります。
 
ルーヴルは冒頭にほんの少し出てくるだけ。
全体的にパリを舞台にしているのかと思っていたので、
そこは拍子抜けでしたが、予告編などを見ると映画では
シリーズの他のエピソードなども織り込んでもっと
面白くしたててあるようです。
 
私はこの映画を映画館で見る予定はないですが
(6月は他に見にゃいかん作品が目白押しですから。緊縮財政。)
エンターテイメントムービーとしては
期待できるのではと思います。
 
ところでこの物語は「モナリザ」にまつわるものなのですが、
原作でも触れられているように「モナリザ」は一度だけ
日本に来たことがあります。
1974年のことです。4月から6月にかけて、上野の
東京国立博物館で「モナ・リザ展」が開催されました。
会期中は連日ものすごい行列だったようです。
 
モナリザ展実行委員会の名誉総裁が、ときの内閣総理大臣
田中角栄ですから、すごい気合の入れよう。
私はこの展覧会には行っていませんが
このときの図録がこちら↓
 
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 冒頭にモナリザのカラー写真が数枚と、
ダヴィンチの最後のパトロンだったフランス国王フランソワ1世
肖像画のカラー写真があるほかは、
残りのページは全て、モナリザの解説とダヴィンチの解説、
そしてフランソワ1世のコレクションについての解説。
当時のモナリザ研究の集大成ともいえる資料となっています。
 
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かつて「モナリザ」はルーヴルでも、その小ささゆえに
他の作品にまぎれるようにして広い壁に展示してありました。
人だかりができていたので、うっかり通り過ぎずに
すみましたが。
今では専用ルームに鎮座していて、見逃すことはありませんが、
かわりに昔より近づけなくなったのが残念です。