昼下がりの騒動

とある祝日の昼下がり。
お隣りの坊やが玄関先でぎゃーぎゃー泣き喚いていて、
お母さんもなにやら必死に叫んでいる。
それが数十分も続き、一体なんじゃいな(怒)、と窓の外を見ると
ご近所の人たちも5人ばかり集まっていて、なにやら
「もう切るしかないな」などと言っている。

そこでわたくしも出動。←野次馬根性。
聞けば、お母さんが玄関外の掃除をしている間に
坊や(3歳)が玄関の扉を閉めて内側からカギとチェーンを
かけてしまい、カギはなんとか開けさせたものの
どうしてもチェーンが外れないらしい。
家には他に誰もおらず、全ての窓は施錠されている。
坊やはお母さんを締め出し、自分を閉じ込めてしまったのだ。

お母さんはほんの7~8センチの隙間から呼びかけて、
子供にチェーンを外させようとするが、子供はパニック状態で
泣くばかり。しかもギリギリでチェーンに手が届かない。
なんでかかってしまったんだか。
近所のご主人が糸鋸でチェーンを切ろうとするが、
すぐに刃の方が取っ手から外れて落ちてしまう。
そんなものでは切れないだろう・・・。

その奥さんが「カギやさんに電話しよう」というので
私が「消防の方が早いのでは?(休日だし。お金かかるし)」。
一同「なんで消防?」
私「こういう頑丈なチェーンを簡単に切ってくれますよ。
(火災のときに家の中で気を失っている人を助けるため)
ほら、指輪が外れなくなったときも消防呼ぶでしょ?」
奥さん「どこにかけるの?」
私「そりゃ119番に決まってますよ!」

かくして奥さん、人生で初めて119に電話。
「緊張して震えたわ~~。近くまできたら手を振ってですって」
あっちからくるかな~こっちからくるかな~、
と思う間もなく、たちまち遠くからサイレンが。
も、もしや・・・あれか?
いや、別に、そんな大げさな。サイレンまではいらな・・・。
あー、近づいてくる・・・。

思いっきりサイレンを鳴らしつつ、野次馬を十数人従えて
レスキュー隊5~6人が到着。
その後ろには万一にそなえ救急車も控えている。
野次馬のみなさんはどこも燃えてなくてがっかり。
サイレンを聞いて近所の人々も出てくる。

そんな中、全ての窓が施錠されていると知った
レスキューのお兄さんは、ハシゴをしまって
でかいペンチのようなものを車から取り出し
玄関チェーンを「ガチン!」と一刀両断。
一瞬で解決。
終~了~。ご苦労さんでした~。

その後、しばらくして今度は警察官が3人もやってきて
お母さんに事情聴取。
警察官いわく、火災保険の付帯サービスに
こういうチェーンを切ってくれるサービスがあるから
確認してください。
ほほー。それは知らんかった。
なるべく税金を使わんと、民間サービスを使えってことねん。
今回唯一勉強になったことでした☆

お母さんが幼児によってベランダや庭に締め出される
という事故はよくあるそうです。特に洗濯物を干しているとき。
ほんの短い間でも、子供を残して外に出るときは
必ず携帯とカギを持ち、
子供がドアや窓を完全には閉められないよう、モノを置いたり、
どこかの窓の鍵を開けておくといいそうです。

おしまい