パンテオン3 ヒッタイトの神々

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ヒッタイト」とは、古代オリエント時代の国です。
今から3400年ほど前、現在の
トルコ中部にあり
一時はエジプトと肩を並べるほどの強国でした

世界史的には、史上初めて鉄器(鉄の道具、鉄の武器)を使った民族として知られ、旧約聖書にも「ヘテ人」という名で出てきます。
少女マンガ『王家の紋章』をご存知の方なら、イズミル王子の国、と言えばお分かりですね。 
 
最近のマンガなら『天(そら)は赤い河のほとり』
(篠原千恵/小学館フラワーコミックス/全28巻)
が、ちょうどこのヒッタイトを舞台にした作品です。
私はこのマンガを読んでヒッタイトにはまり、
ヒッタイト遺跡を見るためにトルコに行きました
 
写真の石板は、ヒッタイトの“ヤズルカヤ”という神殿遺跡にある、岩肌に刻まれた神々の姿を写したものです。地元の人たちが手で彫ったお土産物。
拙著『トルコ周遊記』の「ヒッタイトの帝都ハットゥシャシュ」の章にも、写真の石板の元になった“ヤズルカヤ”の説明が出ています。
 
まず上段にはヒッタイトの紋章、双頭のワシ。
中段には12人の、湾曲した刀を携えた神々。
 
ヒッタイト多神教で、最高神はテシュプという嵐の神(天候神)でした。石板の下段左端にいます。その右に配偶神の太陽神ヘパト。後ろの3人は彼らの息子と2人の娘たち。
 
ヒッタイト男神は牛の角をあしらった独特の帽子を被っていて、高位の神になるほど、角の数が増えます。古代の小アジア(トルコ)やエーゲ海周辺の地域では「牛」を強さや神聖さのシンボルとしていたようです。
 
普通、アルファベットは表音文字、といわれますが、
昔はちゃんと意味がありました。
Aを逆さにしてみてください。
ほら、角の生えた牛の頭に見えませんか?
古代の人が最初の文字に選んだのも、実は牛だったのです。