漢字の森へ

8月31日
上野・東京国立博物館にて
『青山杉雨の眼と書
  ~書の巨星と中国書画コレクション~』
を見ました。
 
書道の先生をしている方に招待して
いただきました。
書の展覧会は、2008年に江戸東京博物館
王羲之の「蘭亭序」を見に行って以来です。
 
展示は青山杉雨(さんう)氏のコレクションである
中国の書に始まります。
 
ほとんどが明・清代(16~19世紀)の書家の作品です。
書に関してシロウトの私が名前を知っているのは
董其昌(とう・きしょう)、ひとりだけでした。
彼は明末に、文人画(士大夫が戯れに描いた画)を
南宗画として大成した画家で、かつ政治家であり、
かつ書家であり、“芸林百世の師”と称えられています。
 
私には作品以上に、書いた人たちの
人物紹介が面白かったです。
激動の明末清初において、彼らがどう生きたのか。
 
ある人は明の人間でありながら、
清に下ったことを責められ・・・。
ある人は、明の皇帝が自害したのを聞いて、
それに殉じ・・・。
またある人は世の中に失望して自ら官職を辞し・・・。
ほんの数行の中に、ドラマを感じました。

 
青山氏自身の作品も、殷・周時代の金文
(絵文字に近い、原始的な漢字)
を使ったユニークな作品が多くて、飽きさせません。
氏の書斎の再現や、落款印、文房四宝の展示などもあります。
 
では作品を1つごらんください。
何と書いてあるかわかりますか?(展覧会HPより)
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答え
 
 
「黒白相変」(こくびゃくそうへん)
でした。
 
 
私が一番気に入った作品はこちら。(展覧会HPより)
タイトルは「殷文鳥獣戯画」(いんぶん・ちょうじゅうぎが)。
 
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象形文字の特徴を生かした、楽しい作品です♪
 
 
この展覧会は今月9日(日)までです。
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1472
 
東博の近くには書道博物館もあります。
文字の変遷という観点から、中国の歴史を
たどることができます。
http://www.taitocity.net/taito/shodou/

さらに、書道博の目の前には、正岡子規が最晩年を過ごした
「子規庵」もありますよ。
NHKドラマ“坂の上の雲”に何度も出てきた、
庭に面したあのお部屋が見られます。