ボルジアとラオコーン

CSの海外ドラマ「ボルジア ~欲望の系譜~」(全12回)
が終わりました。
 
結局、チェーザレの兄ホアンが何者かに
暗殺されるところで終了。
ガンディア公ホアン・ボルジアを暗殺した犯人は
いまだ謎ですが、ドラマでは一応の解答を示しています。
(ちなみにチェーザレではありません。)
 
チェーザレが本格的に活躍するのは、兄が死んだあと
のことなので、エンドレスエンドな終わり方でした。
続きを作ってほしい・・・。
 
気になったのはドン・ミケロットの役回り。
史実ではどうか知りませんが、
ドラマでは、ホアンに雇われた護衛、兼殺し屋で、
常に仮面をつけていて正体不明。
最後まで仮面をとることなく終わりました。
 
塩野さんの著作や、マンガ『チェーザレ』の影響で、
ドン・ミケロットといえばチェーザレの親友で
かつ最も忠実な部下、というイメージがあったので、
あまりに印象が違っていて意外でした。
 
ところで。
最終回は、ローマであの「ラオコーン」が発見される、
という場面から始まるのですが。
時期的にちょっと史実と合わないな、と思って見ていたら、
教皇アレクサンドル6世の命令で、なんと最後に
埋め戻されていました。
史実に徹底的にこだわった、のが売りの作品だった
はずなのに・・・。
どーゆーこっちゃ。

実際には「ラオコーン」が発掘されたのは
1506年で、アレクサンドルの次の次の教皇
ユリウス2世のときです。
 
最後に間違い探しです。
左は現在ヴァチカン美術館に展示されている「ラオコーン」。
右は、1950年までの状態の「ラオコーン」。
どこが違うでしょうか。

イメージ 1
イメージ 2
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そうです。
右は、ルネサンス時代の修復により
ラオコーンは右腕を伸ばしています。
息子たちにも腕があります。

しかし20世紀に、欠損していたラオコーンの腕が見つかり、
右腕は後ろへ曲げられていたことがわかりました。
同時に、付け加えられていた息子たちの腕は
取り除かれたのでした。