パンテオン10 密教法具

 
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密教の儀式に使われる五鈷杵と五鈷鈴です。
 
まずは金剛杵(こんごうしょ)の説明から。
元はヴァジラ、と呼ばれるインドの武器で、あらゆる煩悩を打ち破ります。
 両方の先端が1本のものを独鈷杵(どっこしょ)、
3本に分かれているものを三鈷杵(さんこしょ)、
5本に分かれているものを五鈷杵(ごこしょ)、
と呼びます。
 
よく空海が、右手で胸のあたりに持っているあれです↓。
 
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空海が唐からの帰りに船から三鈷杵を投げたら、それが飛んでいって高野山に落ちたので、そこに寺(金剛峰寺)を作った、という有名な伝説があります。
 
私が持っているのは2本とも五鈷杵ですが、本来は、独鈷と三鈷と五鈷の3本で三角形をつくり、その中心に鈴(れい)を置きます。
 
次に金剛鈴(こんごうれい)について。
神社でも、お参りをする前に鈴を鳴らして神様の注目を喚起するように、
この鈴も仏を呼び起こし、また仏を喜ばせる楽器です。
 
金剛杵と同様に、持ち手の部分の形よって呼び名が変わり、
私が持っているのは五鈷鈴(ごこれい)です。

1、3、5・・・奇数ばかりですね。
もうすぐ七五三の時期ですが、やはり奇数。
これは中国から伝わった陰陽五行説に関係があるのでしょう。
この思想は仏教にも神道にも影響を与えています。
 
世の中の森羅万象は陰・陽から成り、
偶数は陰(西洋では女性数)、奇数は陽(男性数)。
陰より陽のほうが縁起がいいので、奇数は良い数なのです。

・・・もっと言うと
陽の数が重なるゾロ目の日はめでたい!
1月1日、3月3日(桃)、5月5日(菖蒲=尚武)、
7月7日(笹)、9月9日(菊)。
 
しかし別の説もあります。
陽+陽=陰となり、むしろ縁起が悪くなります。
そこでゾロ目の日は、季節の植物(上記カッコ内)
に親しんで邪気払いをするようになったというもの。
1月1日は元日で別格扱い。かわりに1月7日に七草を食べます。
こうして五節句の祭りが生まれました。