リヒテンシュタイン展・前編

11月9日(金)
 
国立新美術館(乃木坂)で開催中の
リヒテンシュタイン
~華麗なる侯爵家の秘宝~』に行ってきました。
HP:http://www.asahi.com/event/liechtenstein2012-13/
 
リヒテンシュタイン侯国は、
オーストリアとスイスに挟まれた小国です。
 
面積は約160平方キロメートルで、
小豆島(157Km2)より少し大きい程度。
人口は約3万6000人。
→調べてみたら、京都府精華町の人口と同じでした(笑)。
京都人にしかわからない例ですみません。
 
リヒテンシュタイン家はその昔、
ハプスブルク家の寵臣として活躍し、侯爵の位を
与えられました。
その後、領土を拡大し、1719年には
ハプスブルク家の皇帝から自治権を授けられ、
事実上の独立国となります。
そしてナポレオン戦争ドイツ統一運動の
荒波にもまれつつ、独立を保持し、今に至ります。
 
今回の展示品は、一時はナチスに接収されそうに
なりながら危うく難を逃れた、
貴重なコレクションの一部です。

 
前半の見所はやはり、気合の入った
バロック・サロン」なる大広間でしょう。
ここは、リヒテンシュタイン家の
ウィーンにある離宮の一室をイメージしていて、
壁伝いに絵画や調度品が置かれています。
 
↓こんな3D割引券まで!
 
イメージ 1
左の、はがき大の折りたたみチラシを組み立てると
右のように、ミニ・バロックサロンが完成。
調度品が立ち上がり、奥の壁にはタペストリ
天井画も見えます。

このサロンは、展示作品にキャプションがなく、
写真つきの別紙にタイトルや作者などが
記されています。
 
私は、お金持ちのお屋敷に招かれた気分を
味わいたかったので、まずは紙を見ずに、
部屋全体の雰囲気を楽しみながら展示品を見て回りました。
 
ほとんどの人が、作品横の番号をつぶやきつつ
何度も紙と作品を交互に見ていましたが、
たいした解説ではないので、
ここでは情報や知識なしで、純粋に“美しい空間”
にひたることをおすすめします。
 
放射状に配置された4枚の天井画は、
その真ん中に立って見上げると、
動かずに回転するだけで、どれもちゃんと見られます。

イメージ 2
 
 
さて驚いたのは、
ポスターやチラシに
採用されている
この彼女の正体。
 
 
貴族でもなければ、
ご夫人でもなく、
アントウェルペン
裕福な市民で19歳!!
でした。
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 3
 
ところで
やはりチラシになっている
この子ですが、
 
「ようこそ、わが宮殿へ」
 
などと言っていますが、
この子はリヒテンシュタイン家の人間
ではありません!

 
これは画家ルーベンスが描いた、
ルーベンスの娘です。
このポスターを街で見かけるたび、
「おまえん家じゃ、ねーだろ」と
つっこみたくなります。
 
 
 
(・・・まあ、“絵”にとっての我が宮殿ってことなんでしょうけど。)

 
私が気に入ったのは、例によって歴史もの。2枚。
いずれもルーベンス
1つは「マルスとレア・シルヴィア」。
イメージ 4
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
これは有名なローマの建国神話の一場面です。
巫女のレア・シルヴィアは軍神マルスに見初められ、
双子の男の子、ロムルスとレムスを産みます。
双子はメス狼に育てられた後、農夫に引き取られ、
長じてローマの建国者となるのです。
ローマROMAという都市名は
ROMULUSに因みます。
 
もう1つは、今回の目玉のひとつで、
横幅4メートルの大作
「占いの結果を問うデキウス・ムス」。
 
イメージ 5
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
彼は古代ローマの英雄です。
この後、宣託通り戦争で命を落とします。

 
 
しかし今回一番面白かったのは・・・
長くなりそうなので、続きは明日にします。