「ラブリーボーン」を見て

今日は歴史とは関係ない、
ちょっとまじめな話デス。
 
何年か前にヒットした
映画『ラブリーボーン』を見ました。
アメリカの14歳の女の子が、
いつも通りに学校へ行き、その帰りに近所の男に殺され、
天国へ行くまでの数年間、自分の死後の家族の様子を
ずっと見ている、というファンタジーです。
 
この話は、1970年代が舞台なので、
まだ携帯電話はありません。

 
私が子供のころや中学・高校時代は、
全校生徒と全職員(先生)の住所と電話番号、
生徒の父親の名前と職業を記した住所録が
全員に配られるのは当たり前でした。
 
(好きな先生や先輩に、こっそり年賀状を
出すこともできました。笑)
 
家に帰ってから友達と話したければ、
相手の家に電話をかけ、電話をとったお母様に
 
「〇〇中学校何年何組の、〇〇と申しますが、
〇〇ちゃんはご在宅ですか?」
 
などと挨拶をし、
目上の人に対する言葉遣いを自然と身につけました。
携帯電話が当たり前の世代のみなさんには
こういう経験はあまりないかもしれません。

 
そして、ここからが本題なのですが。
 
あなたの家族は、あなたの友達の
携帯番号または家の電話番号を知っていますか?
もしも、あなたが携帯電話(=電話帳)もろとも
行方不明になったら、
お母さんは誰に行方を尋ねればいいのでしょう。

携帯が普及して、いつでもどこでも
連絡がとれるから昔より安心、というのは間違いです。
万一のときのために、
その携帯の中に入っている友達の連絡先を
家族にも渡しておいてください。
 
昔は「友達」というのはお互いに
相手の住所、家の電話番号、そして
お母さんの顔を知っているような相手を指しましたが、
いまはそうではないようです。

映画『ラブリーボーン』の中で殺されたスージーは、
ついに遺体をみつけてもらえず、
その愛すべき骨(ラブリーボーン)の一片すらも、
家族の元には戻ってきませんでした。

クリスマスにお正月と、浮かれがちになる季節です。
仕事柄、10代の女の子と接することが多いので、
老婆心ながら申し上げました。