パンテオン14 蘇民将来の子孫なり

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都の八坂神社で買うことができるお守りです。木製の八角柱で、ついている綱で玄関などに吊るすと福を招くとされています。
 
8つの側面には漢字で
蘇民将来之子孫也」と書いてあります。
そみんしょうらい、とは人の名前です。
日本の古代神話(備後国風土記)によると、こんな話が残っています。
 
あるとき旅人が一夜の宿を乞うて、蘇民将来の弟、巨旦(こたん)将来の家を訪れました。富裕であったにも関わらず、巨旦は旅人を邪険に追い払いました。
旅人が次に、兄の蘇民の家へ行くと、貧しい暮らしであったにもかかわず、蘇民は旅人を温かく迎えて粟飯を食べさせ、宿を貸してやりました。
 
その旅人は、実は神様だったのです。
そして旅の帰りに再び蘇民の家に立ち寄り、自分がスサノヲノミコトであることを明かし、
「あのとき邪険にした巨旦の一家をこれから滅ぼす。
しかし、もし巨旦の家にいま蘇民の子孫がいれば、その子は殺さない」
と言いました。

巨旦の妻は蘇民の娘であったため、そう告げると、
スサノヲは、ならばその娘の腰に目印として茅の輪をつけさせよ、といいました。これは疫病よけの茅の輪くぐりの起源とされています。
 
そうして巨旦の一家は皆殺しにされました。
この伝説から、「我が家はあのとき親切にした蘇民将来の子孫ですよ~」と神様にアピールすることで災厄を遠ざけ福を招く、このお守りが生まれたそうです。

 
さて、今年は20年ごとに行われる、伊勢神宮の「式年遷宮」の年ですね。
また出雲大社も、60年に1度の「本殿遷座祭」を迎えます。
これを機に、神道についてもっと知りたい、という方に
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「国宝 大神社展」 東京国立博物館
4月9日~6月2日  HPhttp://daijinja.jp/