内なる旅 その2:賢者たちとの邂逅

哲学堂公園を散策しています。

林をおりて川べりの広場、唯物園に出ました。
「神秘洞」と呼ばれる泉や、「物」という字の形の植え込みが
あります。
 
橋を渡って向こう岸の「哲学の庭」へ。
ここは2009年に新しく作られた、
ハンガリーの彫刻家の群像作品を展示したスペース。
彫刻が3つの円を描いて配置されています。
 
丸い噴水を囲む5人の賢者は、写真左から
イクナートン、キリスト、釈迦、老子アブラハム
いずれも思想、哲学、宗教の歴史に多大な影響を与えた人物です。
イクナートンは古代エジプトのファラオで、
一神教の信仰をもっていた唯一の王。
 
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怖かったのはアブラハム。他の4人が立っているなか、
ひざまづいて額を地面にこすりつけています。

しかもすごくリアル。本当に人がいるみたい。
 
おそらく旧約の神への畏怖を表しているのでしょう。
あるいは、共に偶像崇拝を厳格に禁じるユダヤ教イスラム
に配慮して、ユダヤ人・アラブ人の父祖である
アブラハムの顔は隠したほうがいいと思ったのかもしれません。
 
2つ目のサークルには禅宗の開祖・達磨大師
アッシジの聖フランチェスコ、インド独立の父ガンディー
の像がありました。
 
3つ目は古代バビロニアのハンムラビ王、
聖徳太子、そしてビザンツ帝国東ローマ帝国)の
ユスティニアヌス帝
法政史における偉人たちです。
それぞれ、ハンムラビ法典、十七条の憲法、ローマ法大全
を作りました。
 
ハンムラビ王↓
 
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さて、再び川を渡り哲学堂の本体に戻ります。
林の中に「筆塚」を発見。筆供養の塔です。
井上円了は各地を講演して揮毫し、得た謝礼金
この公園の建設資金となったそうです。
 
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“字を書きて 恥をかくのも 今しばし
 哲学堂の 出来あがるまで”
 
さて、最初に天狗と妖怪がいた門の向こう側、
「時空岡(じくうこう)」に到着。
この広場を囲むようにいくつかの建物があります。
次回はそれらを紹介します。