エル・グレコ展

2月22日
 
上野、東京都美術館にて『エル・グレコ展』を見ました

以前はあまりグレコの絵が好きではなかったのですが、
去年のスペイン旅行で、彼のゆかりの地トレドや
プラド美術館に行ったので、まだちょっとグレコがマイブーム。
 
さて、金曜の午後4時前に到着。
開幕から1ヶ月ほど過ぎているとあって、ほどよい混み具合。
盛況ですが、近くでゆっくり見られます。
 
この展覧会は、展示作品すべてがエル・グレコ
最近は、目玉に2,3作だけ巨匠の作品を持ってきて
あとは同時代や関連する人の作品でごまかすという
展覧会が多いなか、珍しくサブタイトルがつかない、
100%タイトル通りの展覧会でした。
まあその分、全部で51点と展示品数は少ないですが、
細部までじっくりみても疲れない量でよかったです。
 
いくつかの作品にはジュニア・ガイドが用意されています。
ラミネート加工された子供向きの解説板が作品の近くにあり、
それを手にとって見ながら鑑賞できます。
その場で見て返却するのでエコです。いいアイディア。
 
今回の作品のなかで私が一番興味をひかれたのは
エル・エスコリアル修道院から出品されている
「フェリペ2世の栄光」。
フェリペ2世はスペイン絶対主義最盛期の国王で、
とりわけ熱心なカトリックの信者でした。
 
この作品は画面の上半分が天上界、左下が地上界。
そして右下に地獄、画面中央に小さく煉獄の様子が
描かれているユニークな作品です。
地上界の一番手前に、ひざまずく黒衣のフェリペ2世が。
地獄の様子はレビヤタンという聖書に登場する怪物が
大きな口をくわっと開いた中に描かれています。
キリスト教の世界観を凝縮した1枚です。
 
ほかも印象的なのはやはり宗教画ですね。
「受胎告知」各種と「無原罪のお宿り」。
ビビッドな衣装と長く伸びた肢体。
エル・グレコらしさ全開です。
彼の描く人物が、特に大きな絵ほど妙に長細いのは、
単に彼の個性というだけでなく、大聖堂などで
下から見上げたときの視点で描かれているのですね。
会場でも、絵の前でみんなしゃがんでいました。
 
ショップで何か買おうと思ったのですが・・・
本物を見た後であのハガキは買う気がしませんね。
原色のところが画面から妙に浮いていて
実物の質感とのあまりの違いにがっかりでした。
本物の力ってすごいです。
 
 
さて、今日は来月以降に始まるこの春おすすめの
展覧会をご紹介しますね。
 
ラファエロ展・国立西洋美術館 3/2~
ルーベンス展・Bunkamura 3/9~
ミュシャ展・森アーツセンターギャラリー 3/9~
●八重の桜展・江戸東京博物館 3/12~
(7月に京都文化博物館に巡回)
●大神社展・東京国立博物館 4/9~
●レオナルド・ダ・ヴィンチ展・東京都美術館 4/23~
貴婦人と一角獣展・国立新美術館 4/24~
 
くわしくは公式HPをごらんください。
どれかご一緒できるのがあれば、ぜひご連絡ください。
 
夏以降もプーシキン美術館展、ターナー展、
ミケランジェロ展などの大型展が控えていますよ。
今年も美術館でリフレッシュしましょう♪