ルーベンス展

4月18日
渋谷・Bunkamuraミュージアムにて
ルーベンス・栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」
を見ました。
 
この展覧会、あさって21日で終了します。
日程的にあきらめていたのですが、滑り込みセーフ。
今日(金)と明日(土)は21時まで開館していますので
まだ見ていない方はお急ぎください。
 
ルーベンスネーデルラント(現在のベルギー)の画家。
バロック絵画の巨匠です。
その作品からわかるように聖書やギリシア神話に造詣の深い教養人。
また5ヶ国語を操ることが出来たので、外交官も務めていて、
かなり忙しい人だったようです。
当時のベルギーは、スペインからの独立をあきらめたものの、
まだ戦乱が続いていたため、ルーベンス
自分の絵画工房を2年間閉鎖してまで和平交渉に奔走しました。
 
さて、今回私が気に入った作品はやはり、チラシなどで大きく
紹介されている「ロムルスとレムスの発見」。
絵画の写真がコピーできないので、HPを見てください。
HP:http://rubens2013.jp/index.html
 
ローマの伝説的な建国者であるこの双子が、メスオオカミに育てられた
話は有名ですね。
王位簒奪者である大叔父の陰謀により、王女であった母を殺され、
テヴェレ河に流された双子の赤子。彼らを拾ったのはメスオオカミでした。
ふたりは長じて母と祖父(前王)のかたきをとり、新たな国を作りますが、
その過程でケンカをしてしまい、レムスを殺したロムルス
初代王となって都市国家ローマを建設しました。
ここから古代ローマの歴史が始まります。
 
ローマという地名はこのロムルスからきています。
ローマのフォロ・ロマーノ遺跡にはロムルスの墓とされるものがあります。
ローマのみならずイタリア各地で、オオカミからお乳をもらう
双子の像を見ることができます。↓参照
 
イメージ 1
 
 

しかしこの絵画に描かれているように、キツツキもその子育てに
関わっていたとは知りませんでした。
鳥が人にエサをやっているのが面白かったです。
くわえているのはサクランボ。
あとオオカミの毛のふわふわ感もいい♪
(ローマといえば、いよいよ明日の夜「テルマエ・ロマエ」解禁!!)
 
ほかの作品では「ヘクトルを打ち倒すアキレス」も好きです。
これは映画「トロイ」でも描かれた『イリアス』における
有名な場面ですね。主人公たちの衣装は時代に合っていませんが。
 
版画コーナーでは、ベルギーのアントワープ大聖堂にある
「キリスト降架」を左右反転させたモノクロ作品がありました。
ルーベンスの「キリスト降架」は、『フランダースの犬』で
ネロが死の間際に愛犬パトラッシュと一緒に見たことで有名です。
展覧会のショップでは『フランダースの犬』のアニメグッズも
たくさん売られていました。
 
版画といえば、アントワープに「プランタン・モレトゥス博物館」
という、私がベルギーでぜひ行きたい博物館があります。
今回もここからの出品が多かったです。
ここは16世紀にプランタン家により創業され300年間活躍した印刷工場で、
グーテンベルク以来の活版印刷技術の変遷を、
実際の印刷機や金属活字、当時出版された印刷物などと共に
たどることが出来ます。
 
また一族の住居からは当時の市民生活の様子も分かります。
家屋・工場・博物館の全体が世界遺産!!
その書庫は東京ディズニーランドホーンテッドマンション
モデルになったらしいです。
 
私は飯田橋にある印刷博物館で行われた
グーテンベルクからプランタンへ 印刷革命がはじまった』
という企画展(2005年)でこの博物館を知ったのですが、
大変興味深い内容でした。
 
話はかわって。
今日から映画『リンカーン』の上映開始!
イタリアへの行き帰りの飛行機の中でちらっと見ましたが、
改めてちゃんと見ようと思っています。