『ロイヤル・アフェア』

5月21日
渋谷bunkamuraで
映画『ロイヤル・アフェア』を見ました。
HP:http://www.royal-affair.net/main.html
 
18世紀のデンマーク王室で起きた史実を元にした映画。
時の国王クリスチャン7世(在位1766~1808)は精神を病んでおり、
その侍医となったドイツ人医師ストルーエンセが、王に代わって
政務を執るというのが大筋。
 
また英国から嫁いできた王妃カロリーネは国王に愛されず、
孤独な日々を送る中で、その侍医と不倫の恋に落ちます。
実は侍医と王妃はともに、当時流行していた啓蒙思想
ひそかに信奉していたのです。
 
絶対王政下の当時のデンマークでは啓蒙思想
禁じられており、ルソーの著作なども禁書でした。
王妃と侍医は二人で王を操って“上からの改革”を断行させますが、
急激な改革はクーデターを招き、ともに失脚します。
 
フランス革命が起きる前の1770年前後に、
デンマーク啓蒙思想を取り入れた自由主義的な諸改革が
これほど大胆に行われていたことに、まずはびっくりしました。
国王宛にヴォルテール本人から書簡が届く、という場面もあり、
まだ理想に過ぎなかった啓蒙主義を、いちはやく実践していた様子が
よく分かります。
 
この事件は、デンマークでは誰もが知る王室最大のスキャンダルで
王妃カロリーネの生んだ二人の子供のうち、
王女ルイーゼは国王の子ではなくストルーエンセの子であると
信じられています。
スウェーデン国王、カール16世グスタフは
このルイーゼの直系の子孫だそうです。
 
主役の侍医ストルーエンセを演じるのは
“北欧の至宝”などと称えられているマッツ・ミケルセン
ミッツ・マケルセンではありません。
「007/カジノロワイヤル」で一躍有名になった、
渋くてユニークな横顔(個人的感想)の俳優さんです。

さてさて、恋愛モノでこれから見たいのはウッディ・アレンの新作。
『恋のロンドン狂想曲』、
ミッドナイト・イン・パリ』(昨年レヴュー書きました)
に続く、ヨーロッパの都市を舞台にしたドタバタ・ラブコメディー第3弾。
『ローマでアモーレ』!
HP:http://romadeamore.jp/

オール・ローマロケ。ローマの観光名所が目白押し。
今回はウッディ・アレン本人に加え、
あのロベルト・ベニーニも出演しています。
ちょっと疲れたとき、頭を空っぽにして笑いたいときに
見に行こうと思います。
6月8日公開。