プラトニック・マンス

NHK教育テレビの「100分de名著」という番組を
時々見ています。
 
ひと月に1作品をとりあげ、25分×4回で完結です。
どんな長編作品でもたった100分で、内容の紹介と
解説までしてくれる便利な番組。
 
これまでの放送で特に人気だった
源氏物語』と『夜と霧』はテキストが品切れだそうです。
『夜と霧』の回は、私も見ていたので買っておいてよかった~。
 
今月の本はプラトンの『饗宴』。
いや~懐かしい。初めて読んだのは中学2年か3年のとき。
そのころから哲学に興味がわき、高校では「倫理」が好きな
科目のひとつでした。
大学に進むときも、哲学・倫理学専攻か、美学・芸術学専攻か、
西洋文化史学専攻か、散っ々迷いました。
まあ結局、西洋史になりましたが。
 
で、今月のテキストを買い、久しぶりにギリシア哲学の世界に
ひたっております。
 
『饗宴』は、色々な哲学者がエロース(愛)について語る、
という哲学談義なのですが、
初めて読んだときに最も衝撃的だったのはやはり、
アリストファネスの語るアンドロギュノスの神話。
かつて人間には頭が二つ、手足が4本ずつあったが、
神に逆らったため体を二つに裂かれた。
それ以来、自分の元の半身(better half)を探し、
その相手とやがて結ばれる・・・というおハナシ。
 
これはギリシア神話にはない物語で、おそらくプラトンの創作
でしょうが、“人はなぜ恋愛をするのか”という問いに対する
とてもユニークな解答だったので、10代のころは妙に
納得したものです。
 
この『饗宴』=シュンポシオン、はシンポジウムの語源に、
またプラトンの開いた私塾「アカデメイア」はアカデミーの語源に
なりました。
 
プラトンソクラテスの弟子で、一切書物を残さなかった
師匠の言動を「対話篇」(会話形式)という形で
書き残しています。
実はソクラテス孔子ブッダ(釈迦)はみな紀元前5世紀前後に
活躍しており、紀元前5世紀を偉人の世紀とも呼びます。
 
番組は今週の水曜で最終回ですが、
部分的に見逃した回もあるので、いつかもう一度再放送を希望!!
動く影絵もギリシアっぽくてとてもステキでした。