読了『海賊とよばれた男』

百田尚樹氏の最新作
海賊とよばれた男』を読みました。
感想はというと・・・
 

ほれてまうやろーーー!!!
 

・・・えー、、同氏の作品を読むのは『永遠の0』に続いて
2作目なのですが、相変わらず主人公がかっこいい!
いやあ、明治生まれの男はいいですなあ。
こう、一本芯が通っていて。
読み終わったのは2週間ほど前なのですが、ことあるごとに
ページをパラパラして、余韻にひたっておりました。
大連の満鉄本社など、自分が行ったところが出てきたのも
ちょっと嬉しかった。
関連記事:
満鉄本社
 
 
 
人を育てるっていうのは、こういうことなのだな~と
感心しきりです。
そして難題を与えられるほど燃える社員たち☆
若い社員の離職率が問題になる中で、この本は経営者として
上司としてのあり方を教えてくれます。
 
学校の先生も、問題の解き方を教えるのではなく、
子供が自分の頭で考えて答えにたどりつける力をつけてあげないとね。
最近の先生は世話を焼きすぎで、自分ではなーんもできない子を
作ってしまうので、困ったものです。
 
ところで、この本がいまベストセラーってことは、
日本中の多くの人が、「出光興産」の社史に異様にくわしい
ってことでしょうか(笑)。
読み終わってから、わたくし出光のHPで社史を確認して
しまいましたよ。小説のまんまでした。
 
そう。この小説の主人公“国岡鉄造”は、出光興産の創業者
出光佐三がモデルになっており、ストーリーは出光氏の人生
そのままなのです。
小説のクライマックスとなるのはいわゆる「日章丸事件」。
これまで日本人にほとんど知られていなかった事件ですが、
イランの近現代史を知っている人には
ある程度知られていると思います。
 
つまり、戦後イギリスの植民地支配から脱却しようとしたイランが、
世界の大手石油会社からボイコットされ、石油を売ることが
できなくなって困っていたときに、日本人が(日本政府ではなく
一企業が)手を差し伸べた、という事件です。
 
私はこのことを最初に知ったとき、トルコとの間の
エルトゥールル号事件を思い出しました。
普段なじみが薄い国との友好譚ってなんだかステキ☆
 
それはそうと、受験生諸君!
モサデグの「イラン石油国有化宣言」と
ナセルの「スエズ運河国有化宣言」はセンター頻出ですぞ!
 
ついでに戦後イラン史は、その後の
モサデグが追放される「イラン・クーデター」
→パフレヴィーⅡによる「白色革命」
→ホメイニによる「イラン・イスラーム革命」
までをひとつの流れとしてしっかり覚えましょう!
 
ちなみにイラン・クーデターは裏でCIAとMI6が
糸を引いています。この顛末も詳しく調べたら面白そう。
※小説ではモサデクとなっていますが、
教科書的にはモサデグです。
 
『永遠の0』の映画が年末に公開されますが、
この小説ももしやドラマ化または映画化されるのでは?
と思っています。
 
読み終わってしみじみ、何度か行ったことのある
出光美術館のあの場所に、てつぞーさんがいたんだなあと思うと、
なんだか無性に行きたくなりました。
 
今度出光美術館に行くときには、てつぞーさんが
愛した仙ガイ(※涯のさんずいなし)のほのぼのした絵を
ゆっくり見たいと思います。
 
※しばらくお盆休みをいただきまーす。
次回更新は9月初旬です!