パンテオン23 メノラーの円盤

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この円盤のデザインはもともと、ローマのユダヤカタコンベ
(地下墓地)で見つかった、金のグラスに刻まれていたものです。
中央下部に大きなメノラーがあります。
メノラーについてはむかーし一度取り上げましたが、
関連記事:http://blogs.yahoo.co.jp/moralehistorya/30707851.html
ユダヤ教のシンボルである七枝の燭台です。

うちにはこんな↓メノラー・マグネットもあります。
超お気に入り☆
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さて、円盤の細部を見て行きましょう。
メノラーの上に祭壇があり、9つの巻物が納められています。
これは律法の書すなわちトーラー(旧約聖書の最初の五書)。
 
左端に見えるのはオイル壷。その上のジャガイモのようなものは
エトログと言って、レモンやかりんに似た柑橘系のフルーツ。
ユダヤのお祭り「スコット」には欠かせないフルーツです。
 
オイル壷の右には苦菜。
ユダヤ人にとって最も重要な、過越しの祭(ペサハ)のさいに
用意される「セデル」という特別な食事のときに食します。
その苦味はエジプトで奴隷にされていたときの苦しみを象徴します。
最近はホースラディッシュ(西洋わさび)が使われます。
 
右へ行って右端にはナツメヤシの若芽「ルラヴ」。
これまた「スコット」の時に使われるもの。
ナツメヤシはシュロとも呼びます。
これは約束の地カナン、つまりユダヤの地の象徴でもあります。
 
その横は、羊の角の角笛「ショーファー」です。
ショーファーは古代から、様々な重要な場面で吹かれました。
旧約聖書で「ラッパ」と書かれているのはショーファーのこと。
現代では主に、新年や大贖罪日に吹き鳴らされます。
 
さて、祭壇の左右には平和の象徴、鳩。
そして一番下にはイスラエル十二部族のうち、ユダ族の象徴
であるライオンがいます。
 
この円盤は大英博物館の所蔵する遺物のコピー、のはずなのですが、
私自身は大英博でこれの現物を見たわけではありません。
これを探すのが、次回イギリスに行ったときの課題ですなー。