ユダヤの秋祭り

今月はユダヤ教徒にとってはイベント満載の月です。
毎年、西暦の9月~10月(ユダヤ暦ティシュレー月)に
新年(ローシュ・ハシャナー)がやってきます。
西暦2013年9月5日、ユダヤ暦の5774年が始まりました。
これは神による天地創造から数えた年です。
 
今年は9月5日と6日がお正月でした。
(正確には4日の日没から2日間。ユダヤ暦では日没から新しい日が
始まります。旧約聖書の創世記にも、
「夕となり、朝となった。第一日である。」とありますね。)
ユダヤ人の言葉、ヘブライ語で「新年おめでとう」は
「シャナ・トヴァー(良い年を)」。
新年の2日間は、通常のあいさつ「シャローム」ではなく、
こちらを使います。

また新年には、季節の果実であり、神の愛と力の象徴である
りんごを、豊穣の象徴である蜂蜜に浸して食べます。
なので新年のあいさつにはこんなのもあります。
「シャナ・トヴァー・ウメトゥカー(良い、そして甘い新年を!)」。
 
新年が過ぎると・・・
新年から10日目の夜(今年は9月13日の夜)からは
大贖罪日(ヨム・キップール)という、
25時間におよぶ断食と懺悔の儀式が始まります。
 
新年から大贖罪日の終りまで、神は3つの書を開きます。
生命の台帳(義人の書)、死の台帳(悪人の書)、
どちらでもない人の台帳です。
そして神は、誰の名をどの台帳に加えるかを考えるのです。
大贖罪日が終わるまでに、前の年の罪を悔い改め、
行いを正した者は生命の台帳に名が書かれて、
これからの1年を幸せに暮らすことができるのです。
・・・昔はやったマンガ“デス・ノート”の設定って、
ここからきてるのかしらん??
 
新年から15日目からの1週間(今年は9月19日~25日)は
仮庵祭/かりいおさい(スコット)です。
ちょうどいま、スコットのまっただなかですね。
家の庭に仮りの庵(いおり)を建て、その中で食事をしたり
寝たりすることで、祖先たちが「出エジプト」のさいに
荒野を40年旅した苦労を偲ぶのです。
 
さらにスコットの始まりから9日目(今年は9月27日)は
律法感謝祭(シムハット・トーラー)。
ユダヤ教徒はこの日から1年をかけて律法
(トーラー/旧約聖書の最初の5書)を読むので、
律法感謝祭では律法を読み終えたことを祝い、
同時に頭に戻って、創世記の最初の部分を読みます。
 
そんなわけで、世界中のユダヤ人たちが
次から次にやってくる宗教行事にひたるのが、この9月です。
 
今日は本当は「パンテオン」でユダヤ教のものを
取り上げる予定だったのですが、
書いているうちに前置きが長くなってしまったので
次回に回します。
今日の内容を踏まえて、次回の「パンテオン」を
読んでいただけるとありがたいです。