スーパーカリフラジリスティック・・・を隠す

映画『ウォルト・ディズニーの約束』を見ました。
原題:SAVING MR.BANKS
    (バンクス氏を救え)
公式HP:http://ugc.disney.co.jp/blog/movie/category/walt
 
映画にウォルト自身が登場するのは初めてだそうです。
ウォルト役は、トム・ハンクス
フォレスト・ガンプ』や『グリーン・マイル』、
プライベート・ライアン』、『ダヴィンチ・コード
などでおなじみのあの人ですが、
演技はともかく、顔立ちがあまりにも実際のウォルトと
かけ離れている!
 
ついでに、原題からもこの映画の真の主役といえる
主人公の父親役であるコリン・ファレルも、
私は個人的にあまり顔が好みではない。
彼は映画『アレクサンダー』でアレクサンダー大王
やっていましたが、あれも他の人だったらなあ・・・。
というわけで、配役に限っては甚だ不満でしたが、
内容は良かったです。
 
この作品は1964年に公開された映画
メリー・ポピンズ』の製作秘話です。
原作者であるイギリスの作家P・L・トラヴァース女史と、
ウォルトをはじめとする製作スタッフとのあいだの
意見のぶつけ合いが見所。

同映画を見たことがある人なら、前半はクスクス笑いっぱなし。
あ~あれのことね、あの場面のことか、
これがヒントになっていたのか・・・、てな感じ。
つまり『メリー・ポピンズ』を見てない人には
何のことかわからないので、まったくお勧めしません。
もちろん子供向きでは全然ありません。
 
私が一番笑ったのは、作詞作曲担当者が作った造語を聞いた
トラヴァース女史が“そんな言葉はない!”と怒鳴り、
作詞作曲者が、次に披露するつもりだった
「♪スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」
の楽譜をスッと隠すところです。(この場面は予告編でも見られます。)
 
この映画では、トラヴァース女史が「メリー・ポピンズ」の映画化を
かたくなに拒む理由を、幼少期における父親との関係に求めています。
どこまで事実かは知りませんが、
彼女の幼少期と、現在の出来事とが交錯しながら物語が進んでいきます。
 
物語の後半は、トラヴァース女史が過去から解放され、
映画化への理解を示していくところが感動的に描かれていて、
ほろっ・・・。
Let's Go Fly a Kite を一緒に歌いながら
泣いてしまいました(笑)。
 
前半はコメディ、後半はヒューマン、と一粒で2度おいしい
映画でした。
 
ウォルト自身の生い立ちや、彼がかつて「マウス」の権利を
人に渡してしまって後悔し、のちに苦労して取り返したことなど、
一般にはあまり知られていないエピソードも出てきます。
 
あ、そうだ、ストーリーが終わってスタッフロールが始まっても、
席を立たないでください。
うわ~これが本物か~、本当にやってたのね~、
という展開が待っています。
 
何度も見ているけど、舞台裏を知ったいま、
また『メリー・ポピンズ』が見たくなりました。
私が一番好きな歌はウォルトも絶賛した
Feed the Birds です。