Headless Horseman

FOX HDで放送しているアメリカの連続ドラマ
『スリーピーホロウ』を見ています。
 
このドラマは、アメリカ独立戦争に参加していたイギリス人兵士
イカボット・クレーンが、時を越えて現代に蘇り、
地元警察の女性刑事と協力して、やはり過去から蘇った
首なし騎士による連続殺人事件の背景と、自らのタイムスリップ
に秘められた謎を追う、というものです。
 
黙示録や欧米の伝説、オカルト的要素などが出てきて面白いです。
番組HP:http://tv.foxjapan.com/fox/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/1843
荒俣宏さんの解説付き
 
アメリカの都市伝説“スリーピーホロウの首なし騎士”
については、ジョニー・デップ主演で映画化もされたので、
ご存知の方も多いと思います。
アメリ東海岸、ニューヨークに伝わる“首なし騎士伝説”とは
だいたい次のような話です。

アメリカ独立戦争時にイギリス側で戦った、傭兵のドイツ人騎兵が、
大砲で頭を吹っ飛ばされて戦死。遺体はスリーピーホロウ村の
教会の墓地に埋葬されたが、その亡霊が夜な夜な
馬に乗って現れ、失くした首を捜して村をさまよう・・・。
 
ジョニデの映画のストーリーは割愛しますが、
この映画の元ネタであり、首なし騎士伝説が広く世に広まる
きっかけとなったのが、ワシントン・アーヴィングの小説です。
W・アーヴィングといえば『アルハンブラ物語』を書いた人
でもありますね。スペイン南部、グラナダアルハンブラ宮殿内には、
いまも彼が執筆に使った部屋があります。
 
アメリカ初の幽霊小説とされるW・アーヴィングの
『スリーピーホロウ』によると、主人公の
イカボット・クレーンはその名(CRANE=鶴)の通り、
ひょろっとした痩せ型の青年で、コネティカット出身。
学校の先生で、また地元の人たちに賛美歌を教えてもいました。
 
原作のイカボットは、ジョニデが演じたような捜査官でも、
ドラマのように独立戦争で戦ったイギリス人でも
なかったのです。
 
イカボットは、裕福なオランダ移民の娘カトリーナ・ヴァン・タッセル
に恋をしますが、すでにブロム・ボーンズという恋敵がいました。

イカボットはタッセル邸で開かれた宴の場で
カトリーナにアタックするものの・・・玉砕。
気落ちしたまま、森の中を自宅へと馬を走らせていると
彼の前に突如、噂の首なし騎士が出現。
執拗に追いかけ回されたあげく、なにやら
丸いものを投げつけられます。
騎士が自分の首を投げつけてきたと思い、肝をつぶすイカボット。
 
翌日以降、無断欠勤が続いたことからイカボットの捜索が始まり、
ハドソン河のほとりでイカボットの帽子と、つぶれたカボチャが
見つかりました。

イカボットの恋敵であったブロムはその後、
カトリーナと結婚しました。
イカボットの行方はその後もようとして知れず、
別の土地で生きている、という噂もありました。
 
ブロムは、村人がイカボットの話を持ち出すと
意味深な表情を浮かべ、カボチャのことに話が及ぶと
爆笑したとか・・・。