「グレースオブモナコ」を観ました

映画『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』を観ました。
公式HP:http://grace-of-monaco.gaga.ne.jp/
ハリウッド女優からモナコ王妃となったグレース・ケリーの、
フィクションを交えた伝記映画です。
エルメスの「ケリー・バッグ」は彼女が由来です。
主演はニコール・キッドマン
はっきりいって顔は似てない。
 
物語はグレースが公妃となって6年後から始まります。
1960年代初めのことです。
モナコ公国は、いまもフランス南部の一画にある小国ですが、
おりしもフランスのド・ゴール政権が、
アルジェリア北アフリカのフランス植民地)の独立運動
抑えるための戦費をまかなおうと、モナコに対し
フランスへの納税をせまり、それを拒否するモナコ
武力行使も辞さない構えを見せはじめます。
 
ことここに至って、それまで公妃になりきれなかったグレースは、
国家滅亡の危機を乗り切るには、自分が本当の意味で公妃となり
夫である大公に寄り添わなければならない、と気付きます。
彼女は必死で、モナコの歴史、伝統、王族としての礼儀、
公用語であるフランス語を学ぶようになります。
 
私がこの映画を観て思い出したのは、
18世紀のロシアの女帝、エカチェリーナ2世です。
エカチェリーナはプロイセン(北ドイツ)の田舎貴族の娘で、
ロシア帝国の皇太子(のちのピョートル3世)に嫁いだものの、
夫に愛されず宮廷で孤立。
そこで、夫の母親や宮廷貴族たちを味方につけるため
寝る間も惜しんでロシア語を学び、宗教もロシア正教に改め、
外国人でありながら誰よりもロシア人らしいロシア人になろうと
血のにじむような努力をしました。
そして果ては、無能な夫をクーデターによって皇帝の座から追い、
女帝として君臨するのです。
 
今回の映画のなかに「世の中の人は、王族に嫁ぐことの
意味をわかっていない」というようなセリフがありました。
王家とは、いわば右翼の総本山のようなものであるからして、
歴史と伝統を尊重し、封建的なしきたりに従わねばならないのは
当然で、「♪ありの~ままの~」自分ではいられないのです。
一般家庭から王家に入る女性は、自分の意見をはっきり述べる
近代的な、自立した女性であってはならないのだ、
ということがよくわかりました。
わが国のプリンセスも、そのあたりの割りきりが早くできていれば
病気にならなかったのでは、と思ったりして・・・。
 
この映画はカンヌでのお披露目のときにモナコ王室関係者が
全員ボイコットしたといういわくつき。
大公レーニエ3世(現大公の父)が無能で、妻を制御できない
君主として描かれていることへの批判からです。
なので映画の最初には、これはフィクションです、という
注意書きが出ます。
しかしながら原作本の帯にはしっかり“衝撃のノンフィクション”
的な文句が書かれていて、映画はどこまで本当なんだろう、
と思ってしまいました。
 
さて、久しぶりに映画館にいったら大漁☆
今後注目の(=私が見に行く予定の)映画たち
5作品を紹介しておきます。
 
ヘラクレス』今月24日~
言わずとしれたギリシア神話の英雄!
HP:http://www.hercules-movie.jp/
 
『ドラキュラ ZERO』今月31日~
HP:http://dracula-zero.jp/
ドラキュラ伝説の元となった、15世紀ルーマニアの君主
ヴラド・ツェペシュのハナシ。オスマントルコとの戦闘シーンが楽しみ。
ヴラドに関する過去の記事も参照ください
http://blogs.yahoo.co.jp/moralehistorya/30947792.html
 
美女と野獣』来月1日~
あまりにも有名なあのミュージカルが映画に!
フランス映画です。
HP:http://beauty-beast.gaga.ne.jp/
 
『フューリー』来月28日~
ブラピ主演のWW2もの。
アメリカの戦車シューマンVSドイツの戦車ティガー!
ちなみにティガーは現存する本物を使って撮影。
 
そして年明けには、21世紀の『十戒』ともいうべき
歴史大作がひかえております。
エクソダス 神と王』
HP:http://www.foxmovies-jp.com/exodus/
モーセ出エジプトが主題ですが、脱出の場面より、
最新視覚技術で映像化された、エジプトを襲う10の災い
が見所のようです。