ウフィツィ美術館展

10月31日(金) ハロウィン     
この日、うちの職場もなんだか例年になく仮装がはやってました。
全身ハリーポッターとか流血メイクとか、頭にかぶり物とか。
かくいう私も魔女ハット&魔法の杖で仕事・・・。
 
でも、街中をところかまわず血まみれゾンビや半裸のお姫様が
うろうろしているのは、いかがなものかと思いますね。
結局みんな、単にコスプレが好きなのねー。
ハロウィンの起源も歴史も意味も知らない人は
仮装禁止にしたい・・・。
ハロウィンは前夜祭だから、本当に大切なのは翌日、
11月1日の「諸聖人の祝日」なのに・・・。
 
それはさておき。
この日の夕刻、仕事の一環で東京都美術館へ。
用事がすんだあと、現在開催中の特別展
ウフィツィ美術館展 ~黄金のルネサンス
ボッティチェリからブロンヅィーノまで~』
を無料で見せていただきました。これが本命!
 
今回の見所はやはりボッティチェリ!!
本人作および彼の工房作を合わせて9点が来日。
彼の作風の変遷がよくわかります。
初期のものは、師匠のフィリッポ・リッピによく学んでおり、
全盛期のものは、いかにも彼らしい雰囲気。
そしてサヴォナローラに影響されて以降はギリシア神話を封印し、
華やかさより厳粛さをそなえたキリスト教絵画へ。
 
チラシ、ポスターになっている『パラスとケンタウロス
は思ったより大きくて迫力がありました。
これは理性を象徴する女神が、野生や本能を象徴する
ケンタウロスを制御していることを表しているそうです。
 
ボッティチェリ以外では、ギルランダイオの
『聖ヤコブス、聖ステファヌス、聖ペテロ』が良かったです。
柱にほどこされた金の装飾に目がいくのは
やはり彼の名前のせい?
 
実はルネサンス期の芸術家の名前の多くは「あだ名」です。
ボッティチェリ=小さな酒樽(兄が太った大酒呑みだったから)
ギルランダイオ=金属の髪飾り(父親が金細工師だったから)
ブロンヅィーノ=ブロンズ色(髪が銅の色だったから)
ペルジーノ(ペルージャ出身だから)
・・・と、こんな具合。
 
さて、その他の必見作はウフィツィ美術館の設計者でもある
ヴァザーリの『無原罪の御宿りの寓意』。
アダムとエヴァアブラハムとイサク、サムエル、洗礼者ヨハネ
など、新旧約聖書の人物満載。
 
おっとこれらのコレクションの持ち主の顔も見ておきましょう。
ロレンツォ・イル・マニフィコ(豪華王)、
免罪符で有名なレオ10世、
ウフィツィを建てさせたコジモ1世、
政務の場であったウフィツィに芸術品の陳列を始めたフランチェスコ1世、
メディチ家の人々の肖像画も並んでいます。
 
実はこの日の観覧は下見。来週、弟子たちを引き連れて、
再びお邪魔する予定です。下見を踏まえ、目下、鑑賞ガイドを作製中。
都美館さん、度々お世話になりまーす。
 
では今後の注目展覧会です。

●夢見るフランス絵画~印象派からエコール・ド・パリへ~
(開催中~12/14)
Bunkamuraザ・ミュージアムにて
 
ボストン美術館 ミレー展
(開催中~来年1/12)
岩波書店のシンボルマーク『種まく人』きてます!
 
ルーブル美術館展(来年2/21~6/1)
国立新美術館にて
HP:http://www.ntv.co.jp/louvre2015/
その後、京都市美術館へ巡回
 
●グエルチーノ展~よみがえるバロックの画家~
(来年3/3~5/31)
国立西洋美術館にて
 
ボッティチェリルネサンスフィレンツェの富と美~
(来年3/21~6/28)
Bunkamuraザ・ミュージアムにて
 
マグリット展(来年3/25~6/29)
国立新美術館にて
13年ぶりの大回顧展!!
 
では今日はこのへんで。