『ドラキュラZERO』

映画『ドラキュラZERO』を見ました。
HP:http://dracula-zero.jp/
 
主人公は15世紀に、現在のルーマニア南部、ワラキア公国の君主だった
ヴラド・ツェペシュ・ドラクル(ヴラド3世)。
彼をモデルにして書かれた、ブラム・ストーカーの
『ドラキュラ』という小説により、ヨーロッパに広く
流布していた吸血鬼(ヴァンパイア/ノスフェラトゥ)伝説と
ヴラドが結びつきました。
 
この映画はブラム・ストーカーの小説の面影はほとんどなく、
実在したヴラド3世が、どのようにヴァンパイアとなったのか、
という部分を空想して描いています。
オスマントルコ帝国との戦いに勝つために、悪魔の力を借りた、
という設定。当時のトルコのスルタンは、ビザンツ帝国
滅ぼしたことで知られるメフメット2世。
 
ちなみにブラム・ストーカーの小説を忠実に映像化した作品
としては、1992年のアメリカ映画『ドラキュラ』
ゲイリー・オールドマンのドラキュラ VS
アンソニー・ホプキンスヴァン・ヘルシング教授)が有名です。
 
ヴラドは若いころにトルコの人質となっていた時期があり
トルコ語を話すことが出来たはずで、今回の映画では
彼がトルコの使節トルコ語で会話していて、
おお、ちゃんと史実を反映してるなー、と思いました。
しかしながら、クライマックスのヴラドとメフメット2世の
一騎打ちの場面は完全に創作です。
全体としては面白かったです。もう一度見たいくらい。
 
ヴラドを演じているルーク・エヴァンスはなかなか
はまり役でした。かっこいいけどちょいと影がある感じ。
タイタンの戦い』でアポロンをやってた人です。
あまり出番はなかったけど。
 
それに対し生粋の人間であるはずのメフメット
ドミニク・クーパー)の方がもろ悪役って感じ。
ドミニク・クーパーは『デビルズ・ダブル』という作品
を見てから妙に気になっています。
別に顔は好みじゃないけど芝居がいい。
 
映画のラストで現代のロンドンがちらっと出てくるのですが、
バックになにげに映っているのが「ロイズ」の本社ビルでした。
マスターキートン』ファンとしてはそっちの方が気になって
しまいました。
 
おしまい