アントワープ大聖堂

ベルギー紀行、アントワープ編です。
ブリュッセルから国鉄に乗り、『フランダースの犬
で知られるアントワープへ。
ネロとパトラッシュが最後の瞬間に見た
巨匠ルーベンスの祭壇画を見に行きます。
 
アントワープ中央駅から地下鉄に乗って市内の中心部へ。
駅を出るといきなり、アントワープ大聖堂の横っ腹!
 
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高い鐘楼が印象的。画面右端にはルーベンス銅像
あるのですが、残念なことに清掃中で覆いが・・・(泣)。
 
大聖堂の正面にまわると、ありました!噂の記念碑が↓
バックに大聖堂の正面入口が見えています。
 
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黒くて横長の墓石のような石碑。
日本語も刻まれています。横から↓
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諸外国からの観光客は日本語が読めないし、
そもそもイギリス人女流作家の書いた小説も知らないので、
この石碑はたいてい観光客のベンチと化しています。
このときは午前中の早い時間だったので、まだ人が少なく
誰も座っていませんでした。
 
さて、大聖堂の中へ入りましょう。
正面の通路を進み、腕のように左右に伸びた廊下までくると
左手に『キリスト昇架』、右手に『キリスト降架』が見えます。
いずれもルーベンスによる三連祭壇画。
 
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かつてこの2枚の絵には覆いがかけられ、お金を払わないと
見られませんでした。
クリスマスイヴ、偶然カギが開いていた扉から大聖堂に忍び込んだ
ネロとパトラッシュは、何の拍子か、突然覆いがまくれあがったために
(おそらくは神の采配でしょう)、月明かりのなかでやっと、
長年憧れ続けたこの2枚の絵を見ることが出来ました。
翌日、冷たくなった二人のもとに、ネロの描いた絵が
美術展に入選したという知らせが届くのですが、もはや手遅れでした・・・。
 
話はそれますが、ベルギーに行く前に読み直そうと古い
フランダースの犬」を本棚から出してみると、
訳が村岡花子でした。
最近NHK朝ドラ「花子とアン」のモデルになったあの人です。
 
さて、ネロとパトラッシュが住んでいたのはアントワープから
3マイルのホーボーケンという村とされています。
(原作には村の名前は出ていませんが。)
彼らはそこから市内までミルクを運んでいたのですが、
大聖堂のすぐ近くに、いまも「ミルク通り」という
道が残っていました。
 
最後に、実はネロという名前はニコラスの愛称です。
聖ニコラスといえばサンタクロースの本名ですから、
ネロとクリスマスには最初から深いつながりがあった
ともいえるわけです。
 
ではみなさま、良いクリスマスを。
(とかいいながら、年内にまた更新するかもしれませんが・・・)