映画『エクソダス 神と王』

映画『エクソダス 神と王』を見ました。
HP:http://www.foxmovies-jp.com/exodus/

公開から数日後、上映開始1時間ほど前に映画館に行ったら、
私の目の前で満席、売り切れ!その人気ぶりに驚きました。
仕方なく出直し、先週になって見に行ったら、もはやお客さんは
数えるほどに。しかもパンフレットは売り切れ。なんてこった。

旧約聖書に記録されたモーセによる「出エジプト」EXODUS
を描いた映画としては、
モノクロ時代の1923年に作られたセシル・B・デミル監督の『十誡』、
カラーの時代に入って同監督が自らリメイクした1956年の『十戒
が有名です。

チャールトン・へストンとユル・ブリンナーが主演した
56年の『十戒』は私も大好きで、子供のころから何度も見ています。
今回公開された『エクソダス』は、同じ物語を最新技術で再現した
いわば21世紀版『十戒』。

聖書の記述に忠実だったかつての『十戒』と大きく異なるのは、
“神の存在”“十の災い”“奇跡”の描かれ方です。
いずれも現代的な科学的解釈が行われています。

もう公開から随分時間が経ったので、ちょっとネタバレだけど
書いちゃっていいかな?
(まあ、ストーリー自体は何千年も前からネタバレですが。)

以前は声だけしか出てこなかった神様が、今回は少年の姿をとって
モーセの前に現れます。しかもモーセにしか見えない。
なかなか面白い演出!
そして“十の災い”については、ちゃんと理論的な説明が
なされているのですよ。

まずナイル川が赤く染まったのは、漁師たちが人喰いワニに襲われて
大量の血が流れたため。
→血のせいで魚が死に、その死骸を避けてカエルが陸上に避難したので
カエルが大量発生。
→水がなくてカエルが死に、その腐乱した死骸のせいでハエやアブが
大量発生。
・・・と言う具合。
ハエやアブに顔をさされて、みんなすごい顔になっていました。

有名な海が割れるシーンですが、割れるのではなく、単に、
ものすごーーく潮が引いているときに、そのときにだけ現れる
陸地を渡っただけ。そしてエジプト兵がやってきたときには
ちょうど潮が満ちる時間になったわけ。
でもその満ち方がすごい。すごい勢い。
ちょうどモンサンミッシェルなんかで見られる「馬の駆け足」状態。

そして最後に私が「ほほーう」とうなってしまったのが
十戒”を授かるところ。
以前の映画では「神が自ら刻んだ」という聖書の記述通りでしたが、
今回の映画では、モーセシナイ山にこもっているあいだに、
神の言葉をモーセ自身がその手で石に刻み込んでいました。
そっか~。
信仰と切り離して考えれば、当然モーセが彫ったとしか
思えないよね・・・ということに今まで思い至らなかった!

というわけで、現代人にも非常に受け入れやすい
出エジプト」でございました。

モーセクリスチャン・ベール、と聞いたときは
違和感があったのですが・・・
(私のなかでは映画『アメリカン・サイコ』の変人イメージが・・・)
見てみたら、まあなかなか良かったです。
ちなみにクリスチャン・ベールの出演作のなかでは
彼がまだ少年だったときに主演した『太陽の帝国』が好きです。
太陽の帝国とは大日本帝国のこと。太平洋戦争の映画です。

最後に、いま気になっている映画をご紹介★

●『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』
HP:http://www.cetera.co.jp/treasure/

ロンドンにある有名な美術館の舞台裏を取材した
ドキュメンタリー映画。上演時間がなんと3時間!


かつて制作された『ようこそアムステルダム国立美術館へ』の続編。
やはり美術館の舞台裏。私は見逃してしまいましたが、
関東以外の地域ではまだ上映中。

第二次大戦末期、連合軍によるノルマンディー上陸作戦が
功を奏して、ナチスはフランスから撤退せざるをえなくなります。
その際、ヒトラーは部下のコルティッツ将軍に、パリを破壊し
焼き払うよう命じましたが、将軍はこの美しい都に
火をかけることはしませんでした。
かつて『パリは燃えているか』でも描かれた有名なエピソード
を題材にした作品。楽しみです♪