ちょーじゅーギガ混み展

以前、京都国立博で開かれた『鳥獣戯画展』を
現在、東京国立博物館で開催中です。
HP:http://chojugiga2015.jp/
※展示替えあり

京都で見ようと思ったら行列がすごくて閉館時間までに
見られなさそうだったので諦めて帰りました。
そこで今回はリベンジ。

担当学芸員、土屋貴裕氏による解説を聞いたのち
展示室に移動すると・・・。
またまた大混乱状態!京都よりヒドイ!
びびりつつ、とりあえず順路通りに見る。
ところで「鳥獣戯画」を所有している高山寺
こうざんじ、ではなく「こうさんじ」です。お間違えなく。

前半は、いずれもすばらしい仏画と、かわいい神鹿の像。
鹿はつがいです。頭に角がとれた穴のある方がオス。
次に高山寺中興の祖、明恵上人ゆかりの品。
明恵上人の肖像(樹上座禅像)の上の方に「リス」が隠れています。
リス探しをお忘れなく。
答えは「東京国立博物館ニュース」にのっています。
鹿、リス、だけでなく小犬もかわいかった♪
合掌して賢者を訪ね歩く善財童子もけなげ~。

仏眼仏母像」は、この掛け軸の前で明恵上人が
右耳を切り落とした、とされるもの。
どこかに血しぶきが飛んでいるのではと、土屋さんは目を皿のようにして
隅々までよーく見たそうですが血痕は見当たらなかったそうです。
明恵上人は夢日記をつけていたり、ちょっと変わった人。
白洲正子が彼の伝記を書いているとか。

後半は「華厳宗祖師絵伝」が面白い。私が見た前期は「義湘絵」。
新羅の僧、義湘に惚れてしまって(当然のように)振られた
善妙という女性が、龍となって彼の乗る船を無事に航海できるよう導く
という絵巻でした。

さて、いよいよ「鳥獣戯画」全4巻の出番。
大修復を終えた甲乙丙丁の全巻が同時に公開される貴重な機会。
私は夜間開館を実施している金曜の夕方6時過ぎに入館し、
上記の展示をさらさらさら~と見たのち、
乙丙丁の三巻を40分ほど並んで見ました。
この時点で7時40分。

が!最後に展示されている一番人気の「甲巻」は
並ぶこと約2時間半!展示室内は飲食禁止なのでその間、
水1滴も飲めない。一人だったのでトイレにも行けない。
そして立ちっぱなし。

で・・・見るのは1分。それも係員にせかされながら。
それで誰も怒り出さないところが、日本人てすごい。
しかも前期展示は有名なウサギとカエルの相撲の場面はなし。
弓の手入れや水泳の場面の方でした。
あまりの混雑に博物館も開館時間を臨時延長。
本当なら8時閉館ですが、私が見終わったのは夜10時。
その時点でまだ「甲巻」の最後尾は待ち時間70分。
一体何時に閉館したんだろう・・・。

お客さんがいなくなったあとに展示品のコンディションを
確認しないといけないので、担当学芸員は閉館後まで
帰れないそうです。
観覧前に土屋さんが「ゴールデーンウィークは10時まで
開館してて大変だった」と言っていて、
他の職員さんは「今日は入館のための列がほとんどなく、
館内の列しかないのでマシです」みたいなことを
言ってましたが・・・この日はそれどころではなかったです。
6時を過ぎてから、仕事帰りの人がやってきて
急激に混み出したようです。

で、一番驚いたのは夜10時なのにグッズ売り場が
営業していること!!どこまで親切なんだ、東博!!

それにしても、あの列はもう少しなんとかならんのかね~。
後期展示(5月18日~)に行くのは諦めました。
あ、本など暇をつぶせるものをお持ちでない方は、
行列に並ぶ前に「鳥獣戯画パズル」という漢字パズルを
もらっておくと楽しめますよ。
ただし展示室内は鉛筆のみ使用可です。

これから行かれる方は、公式HPで待ち時間を確認して
覚悟の上でお出かけくださ~い。