『うらめしや~展』

前回に続きホラーネタですみません。今回は和風ホラー。
東京藝術大学大学美術館で開催中の「うらめしや~、冥途のみやげ展」を見ました。(9/13まで)
もっと早く見たかったけど、こんな会期末に行ったのはポスターになっている上村松園の作品が9月のみの展示だからです。ココ↓をクリックすると見られます。

今回の展覧会は東京・谷中の全生庵が所蔵する幽霊画を中心に、関連する錦絵や能面などが展示されています。
作者も幽霊画の元祖、円山応挙をはじめ、曽我蕭白歌川国芳河鍋暁斎月岡芳年・・・わあああ、好きな画家ばっかりだよううう(嬉し泣き)!

三菱一号館でやっていた暁斎展に行きそびれたのでこちらでがまん。暁斎はそんなに多くなかったけど、国芳の錦絵が充実していて満足でした。また、同じ幽霊画でも描く人によって表情やポーズが異なり、気味悪いものから美しいものまでいろんな幽霊を堪能。

幽霊掛け軸は全て、下からのほのかなスポットライトによってのみ照らされており、ろうそくや行灯で見ているかのように、闇の中に幽霊がボーっと浮かぶ演出。

展示の途中に、講談師で人間国宝一龍斎貞水による「四谷怪談」の公演(19分間)のビデオ上映がありましたが、抑揚が激しいのと、周りの観覧者の雑音などもあって、正直あまりよく聞き取れませんでした。日本語だけど字幕を出して欲しかった・・・。講談より歌舞伎にすればよかったのに。

それにしても能面の「般若」や「生成」(←鬼になりかけ)などを真近でじっくりみられたのはとても嬉しかったです。
西洋史が専門のわたくしですが、実は高校時代からお能観世流)が大好きでして。京都に住んでいたときは月1で三条の観世会館に通っていました。
関東に来てからは帰省したときしかお能を見ていなかったのですが、最近ついに、死ぬまでにいつかやってみたいと思っていたお能の謡(うたい)を都内で習い始めてしまったのです☆むふ。

子育て幽霊の掛け軸もいくつか展示されていたので、ショップではそれにちなんで、京都みなとやの幽霊飴(子育て飴)も売られていました。私は、小野篁ゆかりの六道珍皇寺六波羅密寺あたりに行くときに、ついでにこの飴を買っています。

冒頭で述べたように最後の二週間だけ、目玉である上村松園の「焔」が一番最後に展示されています。等身大に近い大型の作品。
私は彼女のだんだんと消えゆく長い黒髪と、小指が立った左手、そして着物の柄の蜘蛛の巣が印象に残りました。この作品は源氏物語でおなじみの六条御息所がモデルとなっています。

ではこの秋の注目展覧会です☆
地方への巡回予定などはHPを参照ください。

『風景画の誕生 ウィーン美術史美術館所蔵』
Bunkamuraザ・ミュージアム(9/9~12/7)

『モネ展 「印象、日の出」から「睡蓮」まで』
東京都美術館(9/19~12/13)

プラド美術館展 スペイン宮廷美への情熱』
三菱一号館美術館(10/10~来年1/30)

『黄金伝説 古代地中海世界の秘宝』
国立西洋美術館(10/16~来年1/11)

始皇帝と大兵馬俑
東京国立博物館(10/27から2/21))

『ワイン展 ぶどうから生まれた奇跡』
国立科学博物館(10/31~12/21)

下の3つは絶対行きまっせ!!