『ラファエル前派』&『フェルメールと・・・』

展覧会レヴューが続き恐縮です。
まずは渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムの『英国の夢 ラファエル
前派展』。
HP:http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/15_raffaello/
今回の出展作品は「リバプール国立美術館」からのものですが、そういう名の美術館があるわけではなく、リバプールにある3つの美術
館の総称だそうです。
リバプールといえばビートルズの故郷として有名ですね。街全体が世界遺産にもなっています。
世界史の観点からは、スティーヴンソンの蒸気機関車が世界で初め
て営業運転を開始した、鉄道発祥の街。そして奴隷貿易の港としても知られています。

さてラファエル前派。
いやー、何度見てもいいですな。こういう神話的中世的な雰囲気が
好きなんです。いつまでも見ていられる。
ポスターになっていた『デカメロン』もいいですが、今回一番印
象的だったのはスタナップの『楽園追放』。剣を持った天使によってアダムとエヴァがエデンから追放される有名な場面です。
ちょっと劇画チックな描写とボッティチェリの『春』を思わせる足元の花々。
天使の下半身を隠す木の枝がなんかとってつけたようで不自然さを
感じましたが。マントの赤の面積を減らしたかったのかな・・・?
この絵はハガキもけっこう売れてました。他の作品も天使ものが多かったです。

ロセッティの『パンドラ』も良かったです。
パンドラの箱から恐怖に引きつる顔がたくさん出てきていて不気味な感じが素敵でした。ハガキ買い忘れたのが残念。
パンドラといえば、いまFOXで「スリーピーホロウ シーズン3」をやってます。もはや首なし騎士とは全然関係なく、パンドラの箱から毎回違ったモンスターが飛び出してきて悪さをする、という話に・・・。

お次は六本木・森アーツセンターギャラリーで開催中の『フェルメールレンブラント展』。
HP:http://www.tbs.co.jp/vermeer2016/
サブタイトルに“17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち”とあるように、ロイスダールやデホーホなどこの時代の有名画家たちの作品が1、2作品ずつ見られます。

オランダ(ネーデルラント北部)は16世紀にカトリック国スペインから独立したプロテスタント国で、17世紀にはアムステルダムを中心に中継貿易で繁栄しました。東インド会社を設立し、遠く日本の出島までやってきていたのは周知の通りです。
ちなみにその独立戦争の途中で挫折して独立を諦めたネーデルランド南部はカトリックにとどまり、現在のベルギーになりました。

今回の展示はフェルメールレンブラントの作品、各1点ずつが目玉となっていますが、全体的に穏やかで地味なラインナップです。

個人的には、オランダ黄金時代を支えた船の絵が気に入りました。特に英蘭戦争の海戦の様子を描いた『ロイヤル・プリンス号の拿捕』は、その日ちょうど仕事で英蘭戦争の話をしたところだったので特に印象に残っています。
ニシン船の絵を見たら、久しぶりにおいしいニシンの酢漬けが食べたくなりました。横浜に北欧料理のお気に入りの店があるのです。もう何年も行ってないな~。

市井の人々の描写よりも宗教モノが好きなので、旧約聖書の物語に基づく『モルデカイの凱旋』(ユダヤのプリム祭の起源に関連)や、トロイ戦争に基づく『イピゲネイアの犠牲』が気に入りました。

以前放映されたこの展覧会のテレビ特番が、2月21日の昼間に再放送されるそうです。これから展覧会に行かれる方はそちらも参照してください。ナビゲーターは玉木宏さんです。ちあきせんぱーい!
展覧会とコラボのぐでたまグッズは軒並み売り切れ!チラシを見ながら、面白いけどこんなの売れるのかな~と思ってたら、めちゃ売れです(笑)。

今週はボッティチェリ展、来週はダヴィンチ展に行きます。冬なのに大物の展覧会が目白押しで忙しいようう~(汗)

では今日はこのへんで。