ヨーロッパの古典・ラテン語

古代ローマの有名な人物で、ユリウス・カエサル
(Julius Caesar)という人がいます。
古代“ローマ”の言葉(ラテン語)は、“ローマ”字読み
すればいいので、発音は見たまんま
あえて英語風に発音すると、ジュリアス・シーザー
 
ローマ時代(紀元前8世紀~紀元5世紀)には、
まだアルファベットの小文字や、筆記体は存在しません。
カエサルの名をラテン語で正確に書いてみます。
I V L I V S    C A E S A R
 
ラテン語にJの文字はなく、ヤ行には I を使います。
Uもなくて、ウの音にはVを使います。
古くはGもなく、Cから作られたものです
ちなみにその後、ギリシア文字からX、Y、Zを輸入し、
V をくっつけてWが作られ、現在の英語のアルファベット
26文字が出来上がります
 
「カ」 エサルのつづりからわかるように、ラテン語
Cはカ行の音です。サ行にも、チャ行にも決してなりません
例えば、カエサルの政敵で雄弁家のC I C E R O、は
キケロであってシセロではありません。(英語ではシセロ。)
 
…そこでですよ。
テルマエ・ロマエの主人公の名を思い出してください。
L V C I V S 、です。このつづりは「ルキウス」であって
「ルシウス」ではないのです
私が先週、間違いでは?と言ったのは、
この「ルシウス」という英語なまりの呼び方です。
 
欧米人がラテン語を読むとき、同じ文字を使っているだけに、
どうしても自国語読みのくせが出ます。
そういう意味では、ローマ字読みに慣れている
日本人がラテン語を読むときの発音こそ

古代ローマ人に最も近いのでは・・・と考える人もいます。
 
ラテン語はすでに死語となっていて、現在話せるのは
バチカンカトリックキリスト教の総本山)
の一部の聖職者に限られています。

日本人が、学校で平安時代の日本語を習うように
ヨーロッパ人にとって、中高校時代に苦労させられた
「古典」こそラテン語です。
 
→来週につづく・・・火曜はローマネタ