「テルマエ・ロマエ」50億突破!

テルマエ・ロマエ」の興行収入が、邦画では異例の
50億円を超えたそうです
というわけで
「ユリウスくん?カエサルくん?」から
タイトルを改めました。
火曜ローマデーもしばらく続けたいと思います
 
先週に引き続き、ローマ人の名前について。
 
みなさんは、ユリウス・カエサル
名(ユリウス)+姓(カエサル)だと思ってませんか?
実は両方、姓です。
 
ローマ人の名前は、基本的に3つから成り立ってます。
ガイウス(親がつけてくれる名)・ユリウス(氏族名)
カエサル(家名)。
つまり、ユリウス一族のカエサル家のガイウスくん、
という意味。
家名は祖先に付けられたあだ名、通称に由来します。
世界史の分野では、この家名で呼ぶことが多く、
スキピオ」「キケロ」「ブルートゥス」「トラヤヌス
ハドリアヌス」などがそうです。
 
3つの名前の後ろに、さらに「氏族名+アヌス」が
付いている場合は、養子であることを示しています。
例えば有名な「オクタヴィアヌス」は、
元々オクタヴィウス一族の出身で、
カエサルの養子となりました。
ローマ皇帝の「ディオクレティアヌス」、
ビザンツ皇帝の「ユスティニアヌス」などもその例。
 
ローマ人の名前は、あまりバリエーションがありません。
最もメジャーなのは、マルクスでしょうか。
きっとローマの街中で「マルクス!」と叫んだら、
その辺にいる男性が10人ばかり振り返るでしょう。

他にルキウス、ガイウス、プブリウスなどが多く、
クイントゥス(5番目、の意)、デキムス(10番目、の意)
など数字の付いた名前は、
三郎、四郎、五郎・・・みたい
 
悲惨なのは女性です。
基本的にローマの女性には、名前がありません!
氏族名を女性形に変化させるだけ。
※男性名はVS(ウス)で終り、
  女性名はA(ア)で終わります。
 
例えば、ユリウス一族に生まれた女性は「ユリア」、
コルネリウス一族なら「コルネリア」、
クラウディウス一族なら「クラウディア」、という具合。
なので、カエサルからすると、自分のお姉さんも
妹も、おばさんも、娘たちも、ぜーんぶユリア
 
じゃあ、娘が何人もいたらどうするかって
早く生まれた順に、番号をつけるのですよ
「プリマ(1番目の)・ユリア」
「セクンダ(2番目の)・ユリア」・・・。
歴史の本では、カエサルの2人の娘を
「大ユリア」「小ユリア」と書き分けています。
 
古代世界では、いかに女性の社会的地位が
低かったかがうかがわれますね。