バッカスに捧ぐ4 チンタオビール

金曜・中国デーです。
 
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「青島」と書いてチンタオ。
あおしま、ではありません。
 
中国の山東半島にある町、青島は
ビールの生産がさかんです。
日本の中華料理店などにも
よく置いていますね。
中国のビールの代表といえます。
 
 
なぜここでビールが
造られるようになったのか。
話は第一次世界大戦前夜、
19世紀の末にさかのぼります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
当時は清朝の末期。
帝国主義的な膨張政策をとるヨーロッパ列強が
次々と中国大陸に侵出してきました。
そしてついに清朝の領土は分割され、
中国は半植民地化されてしまいます。
 
例えばフランスは、植民地であるベトナムに接する
中国の南方を、
イギリスは上海や南京を中心とする長江の流域を、
ロシアは自国と接する東北地方から万里の長城以北
にかけての地域を、
そしてドイツは山東半島を、それぞれ勢力下におきました。
 
つまりですね、山東半島にはかつて
ドイツ人が多く住んでいたのです。
ドイツといえば? そう、ビール。
ビールなしには生きていけない人たちですから、
占領した青島にビール工場を作ったわけ。
 
 
ちなみに、一次大戦の際には、
日本軍がこの青島でドイツ軍と戦い攻略しています。
日本から見て一番近いドイツだったからです。
その際には多くのドイツ人が捕虜として
日本に連行されました。
 
このとき、広島の収容所に入れられた捕虜の中に
青島で菓子店を営んでいたカール・ユーハイムがいました。
彼は戦後も日本に残り、妻子を青島から呼び寄せ、
1921年、横浜に日本初のドイツ菓子店をオープン。
日本にバウムクーヘンを伝えました。
 
しかし彼の店は関東大震災で全壊。
ユーハイム一家は神戸に移住し、店を再建します。
ところがその店も、太平洋戦争末期の空襲で焼失。
さらに終戦の前日に、カールは病気でなくなりました。
しかし、バウムクーヘンの作り方は彼の弟子たちに
しっかりと受け継がれ、戦後弟子たちにより、
店が再建されたのです。
 
 
 
あれ、ビールの話が、
いつのまにかスイーツの話に(笑)。

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おととい、10日に東京国立博物館
「中国 王朝の至宝」展が始まりました!(~12月24日)
 
この展覧会をもっと楽しむための
「NHKスペシャル」が、あさって日曜から放映されます。
HPhttp://www.nhk.or.jp/special/china-civilization/index.html
 
3回シリーズで、いずれも午後9時~
初回:10月14日
2回目:11月11日
3回目:12月16日 です!
 
国史ファンの方、ぜひごらんください☆