貴婦人とユニコーン

中世美術館(クリュニー美術館)は
パリにある美術館のなかで、
私が一番好きな美術館です。
 
敷地内にローマ時代の浴場跡(=テルマエ・ロマエ 笑)
持ち、15世紀にクリュニー修道院長が暮らしていた建物は、
中世の雰囲気そのもの。静かで落ち着いています。
 
迷路のような展示室を巡って中世の工芸品の数々を眺めて
いると、やがてお目見えするのが「一角獣を伴う貴婦人」。
1500年ごろに制作された6枚の連作タピスリ(タペストリー)。この美術館の一番の見所です。
 
実際の展示風景↓
部屋がとても暗い(フラッシュ禁止)ので、これが限界。
 
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ミュージアムショップで買ったコースター
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これら6枚のうち、5枚は五感を表していると考えられ、
左上から「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」
のタイトルが付けられています。
 
最後の6枚目が問題です。天幕の縁に
「我が、ただひとつの望みに従いて J」
という言葉が見られるものの、
そのテーマにはついては多くの解釈があります。
 
また19世紀初頭まで、このタピスリは8枚セットだったという説もあり、失われた2枚に何が描かれていたのかも不明。
・・・謎は深まるばかりです。
 
ちなみに、一角獣(ユニコーン)は獰猛かつ敏捷で、 心清らかな美しい乙女にしか捕まえることができず、またその角を削ると解毒剤になるとされています。
マルコポーロは「東方見聞録」の中で、この伝説上の存在であるユニコーンの本物を見たと言っています。それは伝えられているような美しい姿ではなく、醜かったというのですが・・・
はてさて、彼が目にしたものは一体なんだったと思いますか?
 
 ・・・正解は・・・サイでした。

実は実は!このタピスリがですねえ、
6枚そろって春に来日するのです!!すごーい☆
 
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まさかコレが国外に出るとは!そして日本に来るなんて!
・・・パリで見てきた身としてはちょっと悔しいような・・・
複雑な気分です(汗)。
 
いや~、これが館を留守にしてしまったら、その間にクリュニー美術館を訪れた人は、さぞがっかりするでしょうねえ。なにせ、みんなこのタピスリのために来るんですから。
あ、もしかして大規模な改装、修復工事でもやるのかな?
来年が楽しみです♪