気もそぞろにホイスト

「ホイスト」WHISTという
カードゲームをご存知でしょうか。
 
ポーカーやセブンブリッジ、
ブラックジャックは昔よくやりましたが、
ホイストについては少し前に、初めて知りました。
 
最近偶然にも、見る映画、読む本に
ことごとくホイストが出てきたのです。
なんのお告げ?(笑)
 
・・・で、調べてみました。
映画などで、どうも4人そろわないとできない
らしいことは分かっていたのですが、
2人で一組のチームとなって戦うそうです。
同じチームの人とは向かい合うように座ります。
 
ルールは、パソコンなどに入っている
「ハーツ」に極めて近いです。
ブリッジの元になったとも。
ごく簡単に紹介すると・・・。
 
カードが配られたあと、切り札となるスート(マーク)
を決めます。
そして最初に場に出された札と同じスートの札
(なければ他のスートの札)を出し、
4人が出し終わったときに
一番強いカードを出した人のチームが1点ゲット。
先に7点取ったチームが勝ち。
 
カードの強さは
切り札のA→K→Q→J→・・・2。
次が、最初に場に出されたスートのA→2。
そして、それ以外のスートのA→2、
の順です。

◆  ◇  ◆

先日紹介したE・ゴーリー
「華々しき鼻血 The Glorious Nosebleed」
のなかにも、
「D」のページにこんな一文が。
 
“They played whist Distractedly.”
(気もそぞろにホイスト)
 
挿絵では、テーブルを囲む4人の人物が
みな、あさってな方を向いてカードを手にしています。
誰もゲームの勝敗を気にしていない様子。
 
・・・ではなぜ、彼等はホイストを続けるのか。
続けなければならないのか。
そして彼らが本当に気にかけているのは
一体なんなのか・・・。
 
もしや・・・この中の誰かが犯した
犯罪のアリバイを作るため・・・?。
 
あるいは・・・この中の誰かの奥さんが
隣の部屋で出産の最中?
 
ゴーリーの絵を見ていると、
語られていない様々なストーリーが
自分の中に湧き出してくるのです。
 
  ◇   ◆   ◇

最後にひとこと。
「トランプ」は日本語です!
 
英語のトランプ trump は“切り札”という意味で、
トライアンフ triumph(勝利)が変形したもの。
英語でトランプのことは、単にカーズ cards。
カードの複数形でOKです。
 
また、三つ葉のスートのことをクローバー
と呼ぶのは間違い。
古いトランプには棍棒 club が描かれていたので、
クラブと呼んでくださいね。