「びっくり」は何語?

以前、一次大戦中の日本にドイツ人捕虜収容所が
あった話をしました。
前の記事(2つ):
 ↑ユーハイムの紹介を最近、修正・加筆しました。
 
またまた徳島の板東収容所のお話。
 
一次大戦はドイツ帝国の敗北で幕を閉じるのですが、
その直前、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世は
オランダへ亡命しました。
 
祖国が戦争に負け、忠誠を誓った皇帝陛下は
すでに帝位を捨てて外国に逃げたらしい、
というニュースは、やがて
収容所のドイツ人捕虜たちの耳にも届きます。
 
にわかに信じられないドイツ人たちは
皆おどろいて、口々に
「えぇ!本当?本当に?」
「わが国が負けたなんて!」
「ウソだろ?本当なのか?」
 
この様子をはたから見ていた日本人たちは・・・
「今日はドイツさん、さわがしいなあ。
みんなすごい顔して、“ビュークリ” “ビュークリ”
ゆうたはるわあ。」
「あ、ほら、また “ビュークリ” やて。」
 
英語の Really? にあたる「本当?」は
ドイツ語で Wirklich?(ヴィルクリヒ?)と言います。
もうおわかりですね、
「びっくりする」の語源はドイツ語だったのです。
 

ドイツ語起源の日本語といえば、
クランケ、カルテ、などの医学用語が有名ですが、
他にポルターガイスト(さわがしい幽霊、の意)、
プラネタリウムもドイツ語。
また、
スキー用語(ゲレンデ、シュプール、ボーゲンなど)
登山用語(アイゼン、ザイル、シュラフなど)
もドイツ語が多いですね。
これらのスポーツがドイツやオーストリアから
日本に伝わったからでしょう。