まもなくコンクラーベ

先月、ローマ教皇法皇)が自ら退位しましたね。
教皇を決める互選による選挙、コンクラーベ
今夜バチカンではじまります。
 
ローマ教皇とは?コンクラーベとは?については以前書きましたので、
今日はその舞台となる「システィーナ礼拝堂」について。
 
ルネサンスの巨匠ミケランジェロの代表作、
天地創造』(天井画)と『最後の審判』(祭壇画)
といえば、絵が思い浮かぶでしょうか。
これらのミケランジェロの絵で天井と正面を覆われているのが
システィーナ礼拝堂です。おそらくコンクラーベ期間中、
ニュース映像にこれらの絵が写ると思います。
 
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天地創造』↑は旧約聖書の創世記を描いた長大な連続絵画。
幅13メートル、長さ40メートル!
天と地、月と太陽、アダムとエヴァの創造に始まり、楽園追放、
ノアの洪水など名場面が目白押し。
写真を右下に倒して下から上に見てください。

中央やや下の「アダムの創造」は、神が指先を通じて
命の息吹を吹き込み、土くれから人間アダムを創る場面ですが、
これは映画「E.T.」のモチーフにも使われました。
 
普段は公開されているので、観光客もこの部屋に入ることができます。
ここへ行くならオペラグラスは必需品!!天井が高いので絵が遠い(汗)。
そしてめまいに注意です!!
ここに来るとみんな圧倒されて、口をあけたまま、ず~~~と
天井を眺めています。すると首が痛くなるだけでなく気分が悪くなるのです。
 
これはスタンダール症候群と呼ばれる症状です。
優れた芸術作品に接した感動つまり精神的動揺と、
首が圧迫されて脳への血流が悪くなることによって
めまいや動悸に襲われるものです。
 
赤と黒」で知られるあのフランスの文豪スタンダール
イタリアを旅行したさい、ある教会で壁画を見ているときに
突然めまいや動悸に襲われたことから、このように呼ばれています。
イタリアにお出かけのさいは気をつけてください。
 
この『天地創造』は見るほうも大変ですが、描く方はもっと大変。
ミケランジェロは4年以上も、高い足場の上で腰をそらせて絵を描いたため、
首は曲がり、滴り落ちる絵の具が目に入って目を悪くしたと言われています。
 
明日は祭壇画『最後の審判』について紹介しましょう。