続・システィーナ

昨日の続きです。
コンクラーベの1回目の投票は黒い煙だったようです。
今回はもしかすると、史上初の黒人教皇が誕生する
可能性もあり、目が離せません。
 
ローマ教皇選挙「コンクラーベ」の会場となっている
バチカンシスティーナ礼拝堂を紹介しています。
今日は礼拝堂の正面奥、祭壇を飾っている壁画
最後の審判」についてです。
 
キリスト教では、この世の終りに際してキリストが再び降臨し、
これまでに死んだ全ての人々が墓から蘇って
キリストによる最後の審判を受けると考えられています。
そしてキリストの右に置かれた者は天国へ、
左に置かれた者は地獄へと振り分けられます。

ではミケランジェロの描いた「最後の審判」を
見てみましょう
 
イメージ 1
 
画面の半分より上は天上世界。聖書の人物や聖人聖女たちが
えがかれています。半分より下は人間の世界です。

中央で右手を挙げているのがキリスト。その脇には聖母マリア
中央やや下に、審判の時を告げるラッパを吹き鳴らす天使たち。
ラッパを合図に蘇る人々は、死んだときの年齢にかかわらず、
キリストが復活したときの30歳の姿で蘇ります。
 
キリストの両手のしぐさに注目してください。
画面の左つまりキリストの右下にいる人々は天国行き。
天上世界に引き上げられようとしています。
左下にいる人々は地獄行きが決まり、悪魔たちに
地獄行きの舟に乗せられようとしています。
 
画面右下の端に、地獄の炎が見えています。
この審判を受けるため、キリスト教徒の遺体は
火葬せず土葬する伝統があります。(最近は火葬もあり。)
 
キリストから見て左下の老人が手に持っている
人間の皮のようなものが、ミケランジェロの自画像と
いわれています。
 
さて、ニュース映像でほかにも皆さんが気になるのは、
もしかしたらオレンジと紺の太い縦じまというやたら派手な
衣装の衛兵ではないでしょうか。
 
あの制服をデザインしたのも、実はミケランジェロです。
ルネサンスの時代からずっと着られています。
バチカンの警護を受け持つ彼等は「スイス人衛兵」。
スイスは寒くて産業に乏しいため、中世以来
各国に傭兵を派遣することがさかんでした。
バチカンに行くとあの姿をそこかしこで見ることが出来ます。