ムセイオン19 金印

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ご存知「金印」です。
正確には「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」印。
福岡の志賀島で発見されたことは、あまりにも有名ですね。
1784年(江戸期・天明4年)のことでした。
現在は福岡市博物館で常設展示中。国宝です☆
これはその原寸大レプリカ。
 
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意外と小さい、と思いませんか?
正方形の一辺は2.3センチ。高さは2.2センチ。
手の平において握れば、グーの中に隠れます。
そして重さは108.7グラム。
ほぼ純金なので、小さいわりにずっしり重いです。
(レプリカは軽いですが。)
 
鈕(ちゅう)とよばれるつまみの部分は、とぐろを巻いたヘビの姿。
ここには紫色のひも(綬)が通されていたと考えられています。
 
実際に押してみた↓
 
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光をあてるとキラーン☆↓
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中国の歴史書後漢書』によると、西暦57年(建武中元2年)、
福岡平野にあった奴国の使者が後漢の都・洛陽に至り
光武帝からこの印綬を賜ったそうです。
 
当時の中国はアジア世界のリーダー。
周辺の国々は中国を親とも兄とも慕い、その最先端の政治制度、
技術、文化を輸入したいと考えていました。
そのために親書と貢物をもたせた使者(朝貢使節)を、
中国皇帝に盛んに送りました。
 
皇帝側は、使者を送ってきた相手に爵位とそのあかしである印綬
返礼の品を与えて、その国をいわば衛星国とします。
相手国の方も、中国という大国の後ろ盾、庇護を得られ、また
オレ様は中国皇帝に認められた王だぞ!というハクがつくのです。
 
与えられる位によって、印の材質やつまみの形は変わります。
金印もあれば銅印もあり。亀のつまみやラクダのつまみもあり。
 
ではこのハンコ、一体どのように使ったのでしょう。
おそらく、大切な書類を入れた箱にヒモをかけ、結び目に
粘土をくっつけて、そこに押したと考えられます。
つまり機密文書の封印。
以前紹介した、メソポタミアやインダスの印章と同様です。
 
というわけで、昨日の振り替え・中国デーでした。