春の成果・モザイク作品

そろそろ春のイタリア留学について
ご報告を始めようと思っています。
 
モザイクの聖地ラヴェンナで、モザイク工房に5日間
こもっておりました。で、2作品を完成させました。
写真の中の中央の顔半分と右のフルーツが、今回
イタリアで作ったものです。
 
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まず顔の方ですが、これはラヴェンナ世界遺産の1つ、
サン・ヴィターレ聖堂の祭壇を飾っている壁画の一部で、
ビザンツ皇帝ユスティニアヌス(6世紀)の顔です。
皇帝の左右には廷臣たちが居並んでいます。
実際の様子(画面下部中央)↓
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ちなみに、ちょうどこれと向かい合う壁には皇妃テオドーラ
侍女たちの肖像があります。
 
私はどうしてもユスティニアヌスの顔が作りたかったですが、
顔だけでなく王冠やブローチ、背景のゴールド(←これぞ
ビザンチンモザイクの特徴)も入れたかったので、
顔を半分にしました。

これまでの生徒さんのなかで、聖人などの片目だけ、とか
両目・鼻・口だけのアップ、などを作った人はいたそうですが、
顔を真っ二つにするデザインを考えたのは私が初めてだったので、
先生には「斬新!」と絶賛されました。むふ。
 
冠、イヤリング、ブローチの、まん丸の白い飾りは
本来、真珠母貝を使っているのですが、
今回は実物より少し大きめに作ったため、既成の真珠母貝では
小さすぎる箇所があり、そこはアラバスター(雪花石膏)を
丸く加工して(←カナヅチ1本で!)使いました。
 
左下隅のオレンジの半円はテラコッタ(植木鉢のような素焼き)。
それら以外はすべてヴェネツィア産のガラスを小さく割ったもの。
なるべく現物の色に近いもの、そしてビザンツ時代に存在した色を
使っています。

ゴールドのところは、ガラスとガラスの間に金箔が挟んであり、
3種類のゴールドを使っています。
光を乱反射するように、表面がフラットにならないようにして
はりつけるのがコツです。
ひとつのテッセラ(ガラス片)は平均1センチ四方。
 
さて、もうひとつの作品は「チュニジアざくろ」。
コチラはガラスではなく、全て大理石で作っています。
時代はさかのぼり、ローマ帝国時代のもの。
古代人と同じ道具を使い、ほぼ同じやり方で、
毎日少しずつ黙々と作っていく・・・。
いや~至福のひとときでした。
またいつか新作を作りに行きたいです。
 
完成直後に工房にて。
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