読了『私はマララ』

先週、池上彰さんのテレビ番組で、パキスタンの現状と
マララさんについて取り上げられていました。
で、先月読んだ本を思い出しました。
『私はマララ(I AM MALALA)』です。
一時期(いまも?)書店で平積みになっていました。
 
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ご存知の方も多いでしょうが、
マララ・ユスフザイさんはパキスタンの人権活動家。
といっても1997年生まれですから、当年とって17歳。
タリバンに銃撃され、奇跡的に命を取り留めた少女、
と言った方がわかりやすいでしょう。
史上最年少で、ノーベル平和賞候補にもなりました。
 
本書の巻頭には、彼女に関する様々な写真も掲載されており、
彼女が銃撃されたときに乗っていた、血まみれのスクールバスの
写真も出ています。
 
内容は、彼女自身の生い立ちと活動にとどまらず、
タリバンパキスタン政府、アメリカ軍などの動きも
つぶさに書かれていて、まさにパキスタン現代史。
とても10代の女の子の文章とは思えず、
おそらくは共著者のイギリス人ジャーナリストが
彼女の言葉と体験を一人称でまとめあげたものでしょう。
 
しかし一方で、
「『トワイライト』を読んで吸血鬼になりたいと思っていた」
とか、ロンドンに移住してから
「弟は“ヌテラ”のサンドイッチにはまっている」
といった、ちょっとかわいい記述も。
ヌテラについては書庫『今日のおやつ』をご覧ください
 
パキスタン人の友人アイシャ(書庫『アイシャ's Kitchen』参照)
に聞いたら、アイシャはマララの出身地であるスワート渓谷に
行ったことがあるそうで、すごく風光明媚なところだ
と言っていました。
世界中であんなに美しいところはない、と。
さらにアイシャいわく、スワートは美人の産地!
だそうです。
確かにマララもきれいな顔立ちをしています。
 
マララの家族をはじめ、スワートに住む人たちは
パシュトゥン人という民族だそうで、民族の誇りや
その独特の伝統、考え方に触れた部分が興味深かったです。
それにしても、親戚や友人の悪口までも、本名を出してはっきり
書いてあるあたり、いいのかな~と思ってしまいました。
 
巻末には、彼女が2013年に国連で行った演説の全文も
収録されています。
 
まあ、読んでいて楽しい本ではないのですが、
今後の彼女の活躍に期待して、1票というところです。