シュロの日曜日

昨日はシュロの日曜日でした。
つまり復活祭(イースター)の一週間前です。
 
カトリック国で、クリスマス以上に重要な祝祭日が、
キリストの復活を祝う復活祭です。
十字架上で亡くなったイエス・キリストが、
3日後の日曜に蘇ったことを信じる。
これこそが、キリスト教という宗教の出発点。
日曜日をドメニカ、ドミニカ、ドミンゴなどと呼ぶのは
“主の日”という意味です。
 
復活祭は移動祝祭日で、「春分の日のあとの、最初の満月
の直後の日曜日」です。例年3月末~4月末になり、
今年(2014年)は4月20日が復活祭です。
 
復活祭の40日前(日曜日を除く)の水曜日を
「灰の水曜日」と呼び、その日から復活祭前日までの期間を、
四旬節」と呼びます。
かつてキリスト教徒は四旬節に、断食をしていましたが、
現在では食事の量を減らしたり、肉を絶ったりする程度です。
 
この四旬節の断食に入る前に目一杯食べておこう!というのが
2月のカーニヴァル(謝肉祭)です。
 
さて、復活祭一週間前の「シュロの日曜日(枝の主日)」とは、
エスがロバに乗ってイェルサレム入城を果たした日です。
人々はシュロ(棕櫚/ナツメヤシ)の葉を手にして
エスを歓迎しました。
 
新約聖書にはこのように書かれています。
『多くの人々は自分たちの上着を道に敷き、またほかの人々は
葉のついた枝を野原から切ってきて敷いた。(マルコ11:8)』
『祭に来ていた大勢の群衆は、イエスイェルサレム
来られると聞いて、シュロの枝を手にとり、迎えに出て行った。
ヨハネ12:12~13)』
※祭とは、ユダヤ教の過越しの祭のこと
 
いまもシュロの日曜のミサでは実際にシュロの枝を使った儀式が
行われ、信者はそれを家に持ち帰ります。
5月ごろにクリスチャンの人の家に行くと、シュロの枝が一本
花瓶にさしてあるのを見かけます。
この枝は翌年の四旬節前に教会に返却し、
それを焼いて「灰の水曜日」のミサに使う灰にします。
 
シュロの日曜日はまた「受難の主日」とも呼ばれ、
この日から「聖週間(受難週間)」が始まります。
つまり今週の木曜日が「最後の晩餐」の日。
金曜日がイエスが処刑された日。
そして来週の日曜日が復活した日、イースターです。
 
復活祭はユダヤの過越しの祭と、時期が非常に近いので
かつてはよく混同されたのでしょう。
イタリアでは、過越祭を意味するヘブライ語ペサハ
(英語ではパスオーヴァー)からなまって、
イースターのことをパスクワと呼んでいます。