ミラノ展

『ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館
華麗なる貴族コレクション』展に行きました。
渋谷bunkamuraザ・ミュージアムにて
5月26日まで。
HP:http://www.poldi2014.com/tokyo/
 
5月31日より大阪に巡回。
 
貴族の屋敷をそのまま美術館にした邸宅美術館の典型。
ミラノの貴族ペッツォーリ家のコレクション。
西洋甲冑、宗教画、タペストリー、ルネサンス絵画、
機械時計、ヴェネツィアングラスなど、盛りだくさん。
 
私が一番気になったのは、珍しいアルテミシアの肖像。
作品名は「アルテミジア」。
 
アルテミシアは、紀元前4世紀のアケメネス朝ペルシアの
サトラップ(州知事)だったマウソロスの妹であり妻です。
マウソロスは、現在のトルコ西部にあったカリアの地を
治めていました。歴史の父ヘロドトス(紀元前5世紀)の
出身地として知られるハリカルナッソスの一帯です。
 
マウソロスが亡くなると、アルテミシアは世にも壮麗な
墓廟を建造しました。これが、いわゆる世界の七不思議のひとつ
「マウソロス廟(マウソレウム)」です。
英語で、大きくて立派なお墓をマウソレウムmausoleum
と呼ぶのはこれに由来します。
 
廟の一部は、現在も大英博物館で見ることができます。
私が昔見た欠片はライオンの像でした。
そばにマウソロス夫妻の像もありました。
 
夫の死から2年ののち、アルテミシアは彼の遺灰をワインに混ぜて
飲んだとされています。そしてその直後に亡くなり、
その遺体は夫と同じ廟に葬られました。
 
「ミラノ展」のグッズコーナーでは、みなさん彼女のことを
知ってか知らずか、この「アルテミジア」のハガキがよく売れていました。
まあキャプションにも多少説明がありましたが。
 
実は約100年違いでほぼ同じ地域に、もうひとり
アルテミシアと言う女性が存在します。
彼女については、6月に公開される「300(スリーハンドレッド)」の
続編にあたる映画で、詳しく描かれていますので、
この、もうひとりのアルテミシアについては、
映画の上映開始後に改めて紹介したいと思っています。
 
さて、もうひとつ印象に残った作品は、
ボッティチェリの「キリストの哀悼」です。
え、これがあのボッティチェリ?という感じ。
で、じっくり見ると、まあそう言われれば・・・。
マグダラのマリアの顔を見て、納得。

この作品は、ちょうど狂信的修道士サヴォナローラの影響を
受けた時期に描かれたそうで、禁欲的な描写なのだそうデス。
 
では、今後注目の展覧会です。
 
●「メトロポリタン美術館 古代エジプト展~女王と女神~」
東京都美術館
会期:平成26年7月19日~9月23日
HP:http://met-egypt2014.jp/
 
●「ウフィツィ美術館展」(仮称)
東京都美術館にて
会期:平成26年10月11日~12月14日
HP:http://www.uffizi2014.com/