アテネ・モザイク探訪

今日はアテネ市内で見つけたステキなモザイクをご紹介します。
自然の色大理石を小さくカットして貼り合せたモザイクは、
ギリシアローマ時代に床や壁を装飾するのによく使われました。
 
1:ハドリアヌスの図書館(紀元2世紀)にて
 
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ハート・・・に見えますが、これは多分ツタの葉っぱ。
床の断片です。アテネで最初に出会ったモザイク。
思わずそ~っとなでなで。
 
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こちらは比較的広範囲に残っている床モザイク。
さまざまな文様を組み合わせて、正方形の部屋を飾っています。
こーんな床を、古代の人はいつも踏みつけて生活していたのかと思うと
なんともぜいたく!!

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博物館の中庭の壁に展示された、巨大なメデューサのモザイク。
元は床飾りで、アテネのピラエウスで発見。
紀元2世紀(ローマ時代)のもの。
 
中央に翼の生えたメデューサの頭部。
そして放射状の幾何学的モチーフがなんともリズミカル!
いいですなあ~。
四隅には、最初の写真と同じツタの葉が。
アップ↓
 
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メデューサギリシア神話に登場するゴルゴンという
魔女の三姉妹の末っ子です。
髪はヘビで、見るものを石に変える力があります。
(本来は、彼女に見られるとあまりの恐怖で誰もが
動けなくなる、という意味。)
 
最後は英雄ペルセウスに退治されました。
切り落とされたその首を、女神アテナが自分の盾の中央に
はめ込んだ(メデューサの眼力は首が切り落とされてからも
有効だった)とされているため、
これに倣って古代ギリシアではよく、盾の中央に
メデューサをデザインしました。
 
このモザイクも、盾飾りをモチーフにしているのでしょう。
また邪眼除けの意味もあったと考えられます。
 
ちなみに女神アテナの盾をアイギスといい、
これを英語読みするとイージス。
イージス艦のイージスは、神の盾を意味しています。