『大英博物館展』入門編

ネパール大地震の犠牲者の方のご冥福をお祈りするとともに、
被災された方々にお見舞い申し上げます。
カンボジアから帰ってから、次はネパールに行きたいなあ、
カトマンドゥのスワヤンブナートにお参りに行こう!
なんて思っていたところだったのでショックです。

さて、気を取り直して。

東京都美術館で開催中の
大英博物館展~100のモノが語る世界の歴史~』
(6月28日まで)を視察してきました。
6月に弟子を引き連れて恒例のガイドツアーを実施するので
その下見です。

いやー、すごかった♪圧巻です☆★☆
ショップでの買い物込みで3時間もかかっちゃったよー。
めっちゃ疲れた(汗)。

旧石器からクレジットカードに至るまで、
まさに人間がこの200万年の間に地球上で生み出し
造りだしたありとあらゆる道具、モノが見られます。
世界史のおさらい出血大サービス!(←もはや意味不明)
センター世界史受験生もぜひ!現物を見れば忘れない!

今回の目玉は間違いなく「ウルのスタンダード」!!!
これが、これが、これが日本で見られるなんて!!
すごい、すごすぎる~!
世間的にはハリポタ映画版でおなじみの「ルイス島のチェス」
が話題かもしれませんが、
誰がなんと言おうと今回の目玉は「ウルのスタンダード」です!

世界最古の文明を生み、文字の発明者でもある
シュメール人の生活の様子を伝える謎の箱。
発掘者のレナード・ウーリーが軍旗(スタンダード)のようだ、
と言ったことからこう呼ばれていますが、未だに用途は不明。

アフガニスタン産の濃紺のラピスラズリと白い貝殻によって、
片面には平時の暮らしが、もう片面には戦時の様子が
モザイクで表現されたメソポタミア文明の遺産の傑作。
(紀元前2500年ごろのもの。)

ロンドンで見て以来、10数年ぶりに見るスタンダード。
あれ、こんなに小さかったっけ・・・(笑)。
ミュージアムショップには購買欲をそそる魅力的なグッズが
多々売られていますが、今回私が買ったのはこれ↓

イメージ 1

イギリスらしく中に紅茶(ティーバッグ)が入ってます。
箱欲しさにまんまと買ってしまったぜい・・・。
※実物は長さ約50センチ、高さ約20センチ。

さてもう1つ。目立たないですがぜひとも見ていただきたいのが、
「洪水伝説の粘土板」(作品ナンバー015)。
オリエント史における大変重要な遺物です。
アッシリアの都ニネヴェにあった、アッシュールバニパル王の
大図書館跡から出土しました。

細かい楔形文字がびっしり刻まれたこの粘土板には
旧約聖書に出てくる“ノアの洪水”伝説にそっくりの
洪水物語が描かれているのです。
それは“ギルガメシュ叙事詩”と呼ばれる世界最古(紀元前12世紀成立)
叙事詩の一部(第11の書板)でした。

この粘土板の発見により、
ノアの洪水伝説に元ネタがあったことがあきらかになっただけでなく、
ノアの洪水がメソポタミア全域で実際に起こった洪水をヒントにした可能性、
つまりノアの洪水が歴史的史実だった可能性が高まったのです。

・・・ちょいとマニアックな話になってきました。
最後に四大文明関連の必見作品をご紹介。

古代エジプトの木棺(ミイラケース):神々を描いた美しい彩色!
インダス文明の印章:いまだ謎のインダス文字に注目!
●古代中国の青銅器:周代のもの。背伸びしてのぞくと内側に古い漢字が!

まあ、この3つは入門編ですね。
話が長くなってきたので今日はこのへんで。
次回は見所上級編です☆