ボルドー展に酔う
ま、ま、それはさておき。ミュージアムショップではやはりボルドーワインが売られていました。展覧会オリジナルエチケットのハーフワインもちょっと気になった・・・。
会場内にも、5大シャトーのエチケットなど、ワイン関連の展示があります。(ワイン好きの方には、秋に科博でやるワイン展もおすすめ♪)
会場内にも、5大シャトーのエチケットなど、ワイン関連の展示があります。(ワイン好きの方には、秋に科博でやるワイン展もおすすめ♪)
フランス南西部のボルドーはアキテーヌ地方。・・・とくれば受験生にはおなじみ、英仏百年戦争(1339~1453)のきっかけの1つですね。
フランス国王ルイ7世と離婚したアキテーヌ公女アリエノール(エレアノール)が、父親から受け継いだ広大な領土(現在のフランス国土の約半分)を所有したままイギリス国王ヘンリー2世に嫁いだところから両国の確執は深まり、まあ他にも色々あってついに戦争にまで発展してしまうのでありました。
フランス国王ルイ7世と離婚したアキテーヌ公女アリエノール(エレアノール)が、父親から受け継いだ広大な領土(現在のフランス国土の約半分)を所有したままイギリス国王ヘンリー2世に嫁いだところから両国の確執は深まり、まあ他にも色々あってついに戦争にまで発展してしまうのでありました。
ちなみにアリエノールは、十字軍で活躍したあのリチャード獅子心王やその弟でマグナ・カルタを承認させられたジョン欠地王の母親でございます。
ガロンヌ河のほとりに月の形に発展した、世界遺産都市「月の港ボルドー」。その歴史を先史から順を追って紹介するのがこの展覧会です。
ちなみにラスコーの洞窟壁画で知られるヴェゼール渓谷もアキテーヌにあります。原始的な女神のレリーフ、石器、金属細工に始まり、ローマ時代の遺物が登場。そして彫刻、書物、絵画、陶器、工芸品、家具などなんでもあり。
ちなみにラスコーの洞窟壁画で知られるヴェゼール渓谷もアキテーヌにあります。原始的な女神のレリーフ、石器、金属細工に始まり、ローマ時代の遺物が登場。そして彫刻、書物、絵画、陶器、工芸品、家具などなんでもあり。
私が注目したのはボルドーが輩出した「3M」に関するもの。3Mとはモンテーニュ、モンテスキュー、モーリヤックのこと。
モンテーニュの肖像画は竹中直人にしか見えませんでしたが、彼自身の書き込みのある『エセー(随想録)』と、モンテスキューが『法の精神』のために書いた自筆メモは貴重。
モンテーニュの肖像画は竹中直人にしか見えませんでしたが、彼自身の書き込みのある『エセー(随想録)』と、モンテスキューが『法の精神』のために書いた自筆メモは貴重。
手しており、その法律書には前者の所蔵印と後者の自筆サインが見受けられました。
絵画で気に入ったのは2点。いずれも物語の絵。
1つはドラクロワの師ゲランの「フェードルとイポリット」。ラシーヌの悲劇でも知られるギリシア神話の一場面。アテネの王である夫の留守中に、義理の息子(前妻の子)イポリットを誘惑した妃フェードル。そこへ思いがけず夫が帰宅。すると乳母が「イポリットの方が自分を手ごめにしようとした、と言いなさい」と耳打ち。
その瞬間のフェードルの顔!!目を見開いてショックを受けている表情がなんともいえず印象的!ちなみにイポリットは殺され、フェードルは自殺をとげました。
1つはドラクロワの師ゲランの「フェードルとイポリット」。ラシーヌの悲劇でも知られるギリシア神話の一場面。アテネの王である夫の留守中に、義理の息子(前妻の子)イポリットを誘惑した妃フェードル。そこへ思いがけず夫が帰宅。すると乳母が「イポリットの方が自分を手ごめにしようとした、と言いなさい」と耳打ち。
その瞬間のフェードルの顔!!目を見開いてショックを受けている表情がなんともいえず印象的!ちなみにイポリットは殺され、フェードルは自殺をとげました。
もうひとつは巨匠ルーベンスの「聖ユストゥスの奇跡」↓。
キリスト教が弾圧されていたローマ時代。ローマ兵に剣で首を切り落とされ倒れた9歳(に見えない)のユストゥス。しかし叔父と父が見ている前で、むくっと起き上がり、自分の首を拾うと、体を燃やして首をどこだか(忘れた)に奉納してほしいと語った、というもの。
自分の首を持って歩いた聖ドニを思い出すお話でした。
自分の首を持って歩いた聖ドニを思い出すお話でした。
最後に展示されたドラクロワの大作「ライオン狩り」が今回の目玉。残念ながら上部3分の1は焼失しています。が、ルドンによる模写が残っており、全体の雰囲気を知ることができます。
この展覧会は来年1月末から福岡市博物館に巡回します。
では最後に今後の注目展覧会です。
◇「うらめしや~、冥途のみやげ展」東京芸大美術館にて開催中~9月13日。幽霊かけじくのオンパレード。楽しみ♪
◇「THE ART of BVLGARI 130年にわたるイタリアの美の至宝」東京国立博物館にて9月8日~11月29日。
◇「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」Bunkamuraザ・ミュージアムにて9月9日~12月7日。