ライ王のテラス

「ライ王のテラス」といえば、いま舞台が話題ですね。三島由紀夫の最後の戯曲を鈴木亮平主演で上演中。

私は昨年3月カンボジアに行きました。当然本物の「ライ王のテラス」も見たわけで。この舞台のことを知ってすっごく見に行きたかったのですが、若干予算オーバー&一緒カンボジアに行った友人に上演日程が短すぎて都合がつかない、と言われ・・・。
結局、今回の舞台を見るのは諦めたしだいです・・・。

でも鈴木亮平さんは良い役者さんですね。根性があるというか。
NHKのあさドラ「花子とアン」で知って以来、注目している役者さ
んです。世界遺産検定1級保持者、というのもわたくしとの共通点なのです。むふ。
ちなみに、「ライ王のテラス」が帝国劇場で初演されたときは、北大路欣也さんが主演だったそうです。

さて、カンボジアにある「ライ王のテラス」の実物はこちらでござい↓

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高さ約6メートルの石壇状の遺跡。壁面は神(デーヴァ)やアシュラ(阿修羅)の像で埋め尽くされています。内側に迷路のような通路があり、やはり壁中にレリーフがあるそうですが、私たちのツアーではこの外壁を見ただけ。中には入りませんでした。

かつてここにライ王の像が安置されていたことから「ライ王のテラス」と呼ばれます。その像はいまプノンペン国立博物館にあります。
ガイドブックによると、壇の上に今もライ王像のレプリカがあるらしいのですが、残念ながらそれも確認していません・・・。(真夏の遺跡めぐりは3日目ともなるとだんだん食傷気味になってしまうんだよな・・・。)

ライ王とはカンボジアの伝説的な王です。密林の中で大蛇(実は義理の父であるヘビ王)をしとめた際にその返り血を浴びたことでライ病(ハンセン氏病/レプラ)になってしまったとか。
三島由紀夫はこの伝説を下敷きに「ライ王のテラス」を書きました
。作品ではカンボジア国王ジャヤバルマン7世が主人公ですが、別に彼がライ病だったわけではありません。

ジャヤバルマン7世は、有名な世界遺産アンコールワット」が
作られた時代より70年くらい後の時代の王様。1181年に即位し、チャンパ軍(ベトナム南部)を撃退してアンコール王朝の最盛期を現出。都城アンコール・トムを造営し、その中心に大乗仏教寺院「バイヨン」を建立しました
バイヨンは四面に巨大な菩薩の顔面を配した仏塔が林立する、なんともユニークな空間です。菩薩の顔もジャヤバルマン7世をモデルにしているといわれています。

バイヨンへ通じる通路では、デーヴァとアシュラがナーガ(竜)の胴体を使って綱引き合戦中↓
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バイヨン遺跡入口↓
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当時の市民の生活を描いたレリーフ
第二回廊には「ライ王伝説」のレリーフもあります。

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バイヨンの四面菩薩像たち↓
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“クメールの微笑み”または京唄子(?)↓
あ、若い人にはわからないですね・・・。
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確かカンボジアシェムリアップにもうすぐ直行便が就航するはず!
タイやベトナムで乗り継ぎする必要がなくなって行きやすくなりますね♪