アウシュヴィッツ1・ガス室の衝撃

あれからもう6年も経ったのですね。今日は昼のワイドショーで中継している御柱祭の「木落とし」を見ていました。実は6年前(数えで7年前)、諏訪に行って実際に木落としを見たのです。すごい人、すごい迫力でした。

それはさておき。
先月、ポーランド南部にある世界遺産アウシュヴィッツ・ビルケナウ ―ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940-1945)―」を訪問しました。丸一日かけてじっくり見学しました。

この施設がポーランドにあるということを、もしかしたら多くの日本人は知らないかもしれません。ナチスの収容所だからドイツにあると思って当然です。
しかし当時のポーランドはドイツとソ連によって国土を真っ二つにされ占領されていたのです。

アウシュヴィッツポーランド語では「オシフィエンツィム」。ポーランド人の前ではドイツ語はなるべく使わないようにしましょう)へはクラクフ本駅から鉄道やバスで行くことができます。今回はバスで行きました。

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一番下の「オシフィエンツィム・ミュージアム行き、8:05発、乗り場G1」に乗りました。
これがバス↓
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所要1時間30分ほどで、第1アウシュヴィッツ入口の目の前に到着。

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鉄道で行くと「オシフィエンツィム駅」を降りてから20分ばかり歩かねばなりません。

「ARBEIT MACHT FREI」(働けば自由になる)という大ウソが掲げられた第1アウシュヴィッツの入口↓
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この門をくぐった者は、煙突から外に出ることしかできなかった。煙になって。
「B」が上下ひっくり返っているのがわかりますか?これを設置させられたユダヤ人たちの密かな抵抗です。

現在ここは博物館となっているため、敷地内に建ち並ぶ囚人の収容棟のほとんどが資料の展示室となっています。
各棟の紹介は長くなるので別の機会に。

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写真手前の鉄棒のようなものは、集団絞首刑に使われたバーです。
展示棟をすべて見終わって少し歩くと、最後に現れるのがガス室と焼却炉を備えた「第1クレマトリウム」。

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正面を撮るのを忘れました。これは横っ腹。煙突があります。

そして内部↓。いわゆるガス室です。
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天井にあいている四角い穴から、SSが毒ガス「チクロンB」を投げ込みました。

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そして壁を見てください。
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少しでも新鮮な空気を。上に。上に。
ここから、出して。

爪痕です。

これを見つめながら、私はひとり、しばらくの間立ち尽くしていました。
色々な思いが頭の中を駆け巡り、動けなくなりました。

すぐ隣の部屋は焼却炉です。
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煙となってようやく地獄から解放されたのですね。


この第1アウシュヴィッツからバスで数分離れたところに、第2アウシュヴィッツ「ビルケナウ」があります。
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収容者たちを運んだこの鉄道と塔も見覚えがあることでしょう。
ビルケナウの敷地の方が第1~よりも広大で、見どころをすべて回ると、とんでもない距離を歩くことになります(なりました)。

今日はここまで。また順次写真をアップしていきますね。
毎回アウシュヴィッツだとなんだか暗いブログになってしまいそうなので、時々。

最後に、アイヒマン裁判の裏側を描いた新作映画のご紹介。
アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち」

以前紹介し、アカデミー賞を受賞した「サウルの息子」も、まだ上映しているところがあります。ぜひ。