2012-07-15 根比~べ 欧米史の散歩道(白黒) #歴史 昨日の続きです。 ローマ教皇が亡くなると、 新たな教皇を選ぶ選挙「コンクラーベ」が行われます。 これは、“鍵をかける”という意味です 新教皇が決まるまでのあいだ、投票権をもつ枢機卿たちが、 外部との接触を完全に断たれ、食事も制限され、 ヴァチカン内の個室に閉じ込められるからです。 14世紀に、次の教皇が何年も決まらなかったことに怒った、 ヴィッテルボ(ローマ近郊)の民衆らが、 枢機卿たちを監禁したことに由来します。 投票は、ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂で行われます。 ミケランジェロの祭壇画「最後の審判」や 天井画「天地創造」がある部屋としても有名ですね ここで枢機卿たちによる互選が行われるのですが、 誰かが過半数の票を得るまで、何度も、何日にも渡って 討議と投票が繰り返されます。 それでよく、コンクラーベは「根比べ」、と言われます。 誰も過半数を得られなかったときは、投票用紙が燃やされます その黒い煙を見て人々は、今回の投票では、 教皇が決まらなかったことを知ります。 システィーナから白い煙が立ち上ったときが、 新教皇誕生の合図です。 ドラマ「ボルジア」では、非公開である コンクラーベにおける、枢機卿たちの権力闘争や駆け引きが 克明に描かれていました。 コンクラーベが長引くと、いらだった民衆によって 食事の量や回数がどんどん減らされていくのが、 ちょっとかわいそうでした。 ダン・ブラウンの小説(映画)「天使と悪魔」 でもコンクラーベについて詳しく描写されています。