クリプトの魅力

8月も下旬だというのに、まだまだ暑いですね~。
 
中東やヨーロッパも確かに暑いですが、暑さの質が違います。
すごく乾燥しているのです。暑くても汗はそれほど出ず、外でも日陰に入りさえすれば、おお、涼しい~~、て感じ。
 成田の到着ロビーで、もわああ~とした空気に包まれるたび、日本の夏がすんごく疲れるのは、湿気のせいなんだな、と実感します。
 
さて今日は、ヨーロッパの涼し~い場所、第2弾、
『クリプト』を紹介します。
 
クリプトCRYPT とは、教会や大聖堂の地下空間のこと。
その教会にゆかりの深い人や、歴史上の人物の墓があります。
また中世(キリスト教)以前の時代に、その場所に何があったかを、知ることができる場合もあります。
(第1弾のカタコンベとほぼ同じじゃないかって?
まあ細かいこと言わずに。)
 
キリスト教の総本山である、バチカンサン・ピエトロ寺院の地下には、聖ペテロの墓をはじめとする、歴代ローマ教皇の墓があります。ここに入って真っ先に私が探したのはチェーザレ・ボルジアの父、教皇アレクサンデル6世の墓でした(汗)。
ほかにもっともっと重要な教皇がいるだろうに・・・。

フランスの、シャルトル大聖堂
サン・ドニ大聖堂のクリプトも印象的でした。
 
パリ南西にあるシャルトル大聖堂は、ステンドグラスの美しさが有名すぎて、クリプトの存在があまり知られていません。
 
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ここの目玉は聖母が実際に身につけていたという服の切れ端
「マリアの聖衣」と、幼子イエスを抱いた「黒いマリア」像。
 
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肌の色が黒いマリアはヨーロッパ各地にあり、その由来には諸説ありますが、キリスト教信仰のなかでも特殊な存在です。ただしシャルトルの像はフランス革命のときに壊され、いまあるのはその後そっくりに作られたもの。
 
パリ北部のサン・ドニ大聖堂は、王家の墓所だったため、堂内にフランスの王族の像(棺)がずらずらと70体以上も並ぶ、独特の教会です。
こんなかんじ↓
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 メロヴィング家のクローヴィスに始まり、カロリング家の諸王、ヴァロア家のアンリ2世と妻のカトリーヌ・ド・メディシス、などなど。
そしてクリプトには、マリー・アントワネット、ルイ16世、ルイ18世などブルボン家末期の王族の墓があります。
歴代国王の心臓も安置されており、長らく生存説がささやかれたあの、ルイ17世(アントワネットの息子、革命中に死亡)の心臓を、間近で見ることができます。
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これ↑はクリプトではなく堂内にあるルイ16世&アントワネット像。フランス史やベルばらに興味のある人には、見ごたえたっぷりです。
 
美しい堂内を見、塔に上って眺望を楽しみ、この大聖堂を制覇した!と思ってはいけませんぞ。地上部分だけでなく、クリプトを探検するとその教会の隠れた魅力を発見できます。
 
さて、そろそろ夏休みのお土産話を。
明日はヨーロッパの聖地で神秘の「黒いマリア」さまと握手した体験をお伝えします。