ムセイオン6 古代中国の貨幣

いや~、久しぶりに仕事したら、疲れと暑さでぐったり。
昨日はうっかり、金曜・中国デーを忘れてました
というわけで、一日おくれの中国デーです
 
イメージ 1
 
中国の観光地では、よくこういう古代コインのセットを売っています。もちろんレプリカ。
中国では殷や西周の時代、つまり紀元前8世紀ごろまでは、
貝、とくに↓子安貝(こやすがい)が貨幣として使われていました。
 
イメージ 2
九州出身の私の母は、この貝を宝貝(たからがい)」と呼んでいました。この呼び方の方がふさわしいように思います。
 
貝を貨幣として使っていた名残は、いまも漢字の中に残っています。
「貝」が入っている漢字を、いくつか挙げてみてください。
 
 
思いつきましたか?
 
 
財、貨、貯、購、買、販、贈、貧・・・。

ほら、どれもお金に関係するでしょ?
 
その後、春秋時代の半ば以降、
とくに戦国時代(紀元前400年ごろ~紀元前200年ごろ
)に入ると貝にかわって青銅の貨幣が使われるようになります。写真の貨幣は、このころのものです。
 
戦国時代というのは、日本史でも使われる言葉ですが、もちろん中国が本家。いずれも、天下統一を目指して群雄が割拠する内乱の時代を指します。
 
中国の戦国時代には特に、“戦国の七雄”と呼ばれる
7つの国(韓・魏・趙・燕・斉・楚・秦)が
覇を競っており、各国が独自の貨幣を発行していました。
 
 
写真の右端、刀のような形の貨幣は、
斉・燕・趙・魏(三国志の魏とは別)などで
流通していた「刀銭(とうせん)」。
 
刀銭の左は、韓・魏・趙で流通していた「布銭(ふせん)」。
この「布」は農具の鋤(すき)を意味します。
 
その左の3つも、布銭の種類と思われます。
ただ、一番左上の、丸と四角がくっついたような形のものは
どの国(時代)のものか、わかりません。
ご存知の方があればご指導ください。
(古代のものっぽく、適当に作られている可能性もあり。)
 
ちなみに、天下統一に成功し戦国時代を終わらせた人物こそ
かの秦の始皇帝です。